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「老後の住み良い住宅にするために、生活者の視点で提言していきたい」と滑川さん
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「千葉建築士会」に所属する女性建築士七人が、福祉住環境の勉強を始めたのは五年前。その後、自然発生的に「楽居の会」(事務所・鎌ヶ谷市)が誕生し、平成十二年にNPOとなった。
銚子市に住む同会理事で副会長の滑川里美さん(四四)も発足当初から参加した一人。「今、住宅はハウジングメーカーが建て、公共建築は有名建築家が活躍する時代。私たち女性建築士の役割とは何だろうか」
“生活の中の福祉”を考えた時、家事や介護など生活に密着している女性だからこそ、安全で住みやすい暮らしを発信していけるのでは、と考え、同会代表の恒吉よし子さん(五四)らと設立した。
同会は高齢者や障害者が、住み慣れた家や町で安全に暮らせるように、住環境改善の相談会を定期的に実施し、建築施工者やホームヘルパー向けの講習会も行う。グループホーム開設時の企画提案や設計も積極的に行い、建築士として、そして主婦としての「眼」を福祉の中に取り入れている。
「例えばトイレに手すり一本つけるだけで、トイレの付き添いが必要なくなるかもしれない。そうしたらその時間に、家族やホームヘルパーは食事の支度や洗濯もできる。時間を有効に使って、お互いが無理なく介護をする。住まいを変えることは介護の質を変えることなのです」と滑川さん。
建設会社「ハザマ」の研究員時代に結婚し、銚子市に移り住み、“自分のことは自分で守る”という銚子の人の土地柄に接して、「自立できる仕事がしたい」と、滑川さんは三十七歳で一級建築士の資格を取得。以来、銚子市内で会の活動に務め、銚子市の非常勤職員として、介護保険の認定調査員として働く傍ら、高齢者住宅に出向いたときは改善点をチェックしている。
現在、「居宅介護住宅改修」(以下、住宅改修)は、1.手すりの取り付け、2.段差の解消、3.床の滑りの防止、4.扉の取替え、5.洋式便器などへの取替え、6.それらの工事費用、の六項目が介護保険サービスとして適用され、二十万円を限度に給付が受けられる。
「住宅改修をついつい難しく考えて、面倒くさくなってしまう高齢者が多いのですが、手すり一本付け、段差一つ無くすことは、暮らしの中でとても大切だと私達は意識改革をしていきたいのです」
高齢者や障害者に優しい住宅は、すべての人に優しいということ。「多発する家庭内事故を防ぐためにも、専門家と相談しながら住宅改修をもっと活用してほしい」
今後は建築施工者とホームヘルパーとのネットワーク作りや県内すべての受領委任払い制度導入への提言、人材育成に力を注いでいく。
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