アロハシャツ姿でマイクに
向かう小林さん。
「長袖のアロハは6,7枚、
半袖は30枚以上かな」

火曜午後3時、ハワイアン・ミュージックが「いちかわエフエム」のスタジオに流れる。マイクに向かうのは市川市在住でスチールギター奏者の小林浩一さん(74)。1時間番組「世界を旅するスチールギター」を担当する人気パーソナリティーだ。

小林さんが番組を担当し始めたのは3年前。毎回10〜13の選曲や音響操作など、すべて1人で行う。台本はなく、構成作家もいない。「解説と違う曲をかけたりして、失敗は何度もあります。ぶっつけ本番ですよ」
 内容も多岐にわたり、音楽談議や趣味のサッカー、日常生活などさまざま。先月12日の放送では、50年来の親友であり「ワイキキナッツ」のウクレレ奏者・山葉徹夫さんが生演奏を披露。「同輩だった(日本サッカー協会前会長)岡野(俊一郎)は2,3回ゲストに来てくれた」という。緊張感に包まれる1時間も、「好きなことをやらせてもらっているから、ぜんぜん疲れない」と、渋い声と丁寧な語りは本番と変わらない。
 昭和5年生まれの小林さんは、日劇(当時)で耳にしたハワイアン・ミュージックの音色に魅せられ、都立五中(現小石川高校)在学中に仲間5,6人とハワイアンバンドを結成した。スチールギターは工作の時間に製作。毎日15分の進駐軍放送で曲を覚え、見よう見まねで始めた。「アロハ・オエ」や「ユアマイサンシャイン」などレパートリーを増やし、進駐軍パーティーでマッカーサー元帥にその腕を披露したことも。
 小林さんはナレオハワイアンズ、ラナイアイランダース、ワイキキナッツで活躍。50人以上と組んできた。ノンプロの姿勢を貫き、昼は製紙会社のサラリーマン、夜はナイトクラブなどで演奏する生活。その後、千葉への引っ越しを機に10年間は音楽を離れたが、取引先と入った銀座のクラブで再び楽器に触れ、ハワイアンへの情熱がよみがえった。
 現在は、船橋や稲毛、柏、東京・四谷など10カ所でウクレレとスチールギター教室を開き、自身が製作したCDに合わせたレッスンを行っている。また、福祉施設への慰問も行っているという。
「ハワイアン流行=平和」
 持論は“ハワイアンがはやっている時は平和”。「心を和ませるし、癒やされるでしょう。今後も、ハワイアンというジャンルを超えて、クラシックやシャンソンなど、あらゆる音楽をスチールギターで表現していきたい」
 夢はハワイのショートステイ(短期滞在)。「コンドミニアムを借りて、スチールギター教室を開きたいね」
手づくりの市民FM
 市民が市民に向けて発信する手作りのラジオ局「いちかわエフエム」は、パーソナリティー全員がノーギャラ。大学生から高齢者まで500人が登録し、現在は30〜40人が番組を受け持つ。最高齢は小林さんだ。「色々なことを経験し、人生の表も裏も知っているような中高年のみなさんの参加を歓迎します」と専務の日下部雅己さんは語る。
【いちかわエフエム】
 1998年9月に開局。市川市や近隣の東葛地域など、21万世帯以上をカバーするエフエムラジオ局。送信周波数83メガヘルツ。http://www.ichikawafm.co.jp