「トライクは乗り物の究極の姿」
と語る工藤さん

  習志野市の自転車製造販売会社アバンテクは昨年11月、環境に配慮し、高齢者や障害者にも優しい3輪自転車「トライクSEタイプ」を発売した。抜群の安定性で倒れにくく、高齢者や障害者も気軽に、練習なしで乗ることができる同社の3輪自転車。定年後に同社を興こした社長の工藤敏之さん(63)は「ほかにまねのできないオンリーワン製品」と胸を張る。
 工藤さんは北海道帯広市出身。高校卒業後に上京し、ガソリンスタンドの機器メーカーに就職。セールスエンジニアとして36年間働いてきた。そして1997(平成9)年1月に、退職金をすべてつぎ込んで会社を設立。自動車メーカーOB2人とともに、「公害を出さない乗り物を作ろう」と希望に燃えた。開発のための資金繰りは予想以上に厳しかったが、それでも「成功することを信じ、あきらめられなかった」と工藤さんは開発までの道のりを振り返る。
 開発に4年を割き、前に2輪、後ろに1輪の3輪自転車「トライク」を完成させた。前輪と後輪が同時に傾斜できるように、前輪の左右を平行リンクで連結する構造の「パラレルリンクシステム」を開発。走行中は安定感があり、段差のある場所でのショックを、2輪自転車の2分の1にまで軽減させた。
 開発当初は若者向けにと考えていたが、ふたを開けてみると高齢者に売れた。70代、80代は自転車に乗れる喜びで子どものような笑顔を見せるという。また、養護学校にトライクを贈呈した際には、「子どもが自転車に乗れた」と両親がお礼に訪れたこともあるという。「トライクは感動を与える乗り物」と工藤さんは語る。
 おととし7月からは、“高齢者により優しい自転車を”と、県や千葉大学などと共同研究を行った。試行錯誤の末、昨年11月に「トライクSEタイプ」が誕生。従来のトライクを改良し、前輪と後輪をつなぐフレームを曲げ、またぎやすくし、自転車の重心をより低くして安定性が一層増した。発売前から注文が入り、海外からの引き合いがきているという。
 「トライクは駅前や街中に乗り捨てられるような自転車じゃない。乗り物の究極の姿を考えて作り上げた」
 価格はトライクS3段変速仕様126,000円。トライクSE電動189,000円。
問い合わせは“アバンテク”047・408・2788TEL047・424・5298