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最寄り駅は月崎駅。
「列車に揺られてると、新しい発想も
生まれてくる 」と遠山あきさん
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小湊鉄道テーマにエッセー集
いまも旺盛な取材力
50代から執筆活動を始め、“農民作家”として活躍する市原市在住の遠山あきさん(87)が、自身11冊目となる「小湊鉄道の今昔―レールは人生を乗せて」を出版した。米寿を控えた遠山さんの原動力とは何かを聞いた。
職業は農業
「わたしの職業は作家ではなく、農業です」
ゆっくりと丁寧に語るのは、農業に根差した“農民作家”の遠山あきさん。近著は、65年も愛用している小湊鉄道をテーマにしたエッセー集。地元誌「房総及房総人」で約4年連載したものを加筆・再構成され、昨年11月に出版した。
千葉文学賞受賞
小湊鉄道は養老川に沿って走り、五井駅から上総中野駅までの39.1kmを結ぶ房総のローカル線。遠山さんはその歴史や駅周辺の風土、文化、暮らしなどを取材してきた。「『ばあちゃんにこんなことを話しても分かんねーよ』と鉄道関係者に言われました。でもしつこく通い詰めるうちに、専門分野まで教えてくれるようになりました」
1917(大正6)年、大多喜町で生まれ。県立千葉女子師範学校を卒業後、教員となった遠山さんが、蒸気機関車に乗り、振り袖と文金高島田姿で嫁いだのは22歳。以後、農業に専従し、子育てがひと段落した50代の時、自己表現の一つとして、広告の裏面の白紙に日常の面白いことや気付いたことを書き始めた。書く喜びを知った遠山さんは本格的に執筆を始め、61歳のときに「雪あかり」で千葉文学賞を受賞。以後、「農村日記」はNHKラジオで放送され、「流紋」は千葉日報の新聞小説として連載された。
尽きない探究心
順風満帆ではなかった敷設、第2次世界大戦の影響、車社会のシビアな現状…。「実業家の安田善次郎は、採算の見込みのない小湊鉄道に投資を行いました。地元発起人らの熱意によって、義きょう心から融資したようです。こういったエピソードは数え切れません。小湊鉄道に限らず、ローカル線の開通にかかわった人々の努力と苦労の上に存在していると思うと、簡単に『廃線にしろ』とは言えないし、軽口をたたく人にがっかりします」
先人が築き上げた礎石を多くの人に知ってもらいたいと、遠山さんはへそくりをはたいて出版。尽きることのない探究心と情熱、強い使命感が遠山さんの原動力となっている。
「これからも鉄道に限らずどんどん調べたい。『知りたがり屋』と笑われてもいいの」と、声を弾ませた。
「小湊鉄道の今昔―レールは人生を乗せて」(崙書房出版・1890円)は県内の書店で発売中。問い合わせは崙書房出版TEL04・7158・0035