県の消費者リーダーに委嘱されたのをきっかけに、消費生活で身近に起きている問題を、寸劇を通して啓発しているボランティアグループ「つくしんぼ」。いわゆる「悪徳商法」の事例や、対応の仕方、クーリング・オフの知識などを、分かりやすい場面設定とせりふ、動作の三位一体でレクチャーしている。岐阜弁を交えたユーモアあふれる“名演技”には観客席からもたくさんの笑い声が−。県内各所からの依頼に、手弁当で応えているというメンバーに、活動状況や今後の抱負について語ってもらった。
悪徳商法の事例などわかりやすい場面設定
メンバーは、各務原市在住で代表を務める三島佐智子さん(52)と、山県市在住の木田多津子さん(59)、岐阜市在住の野々田登美子さん(65)、岐南町在住の伊藤裕子さん(46)、羽島市在住の不破みどりさん(48)。5人は2年前から県の消費者リーダーの一員として、主に地域での啓発や、情報提供、住民相談などを行ってきた。ことし5月で任期は終了したものの、県の要望もあり、6月以降は新たに「消費者サポーター」として、これまでに得た知識やノウハウを生かし、ボランティアで活動を続けている。
5人の出会いは、消費者リーダーの最初の研修会。「たまたま席が近く、食べることが好きという共通点もあり(笑)、意気投合して」(三島さん)以来、研修後などに食事やお茶を楽しんだり、情報交換をするようになった。
そんなある日、三島さんのもとに、「70歳以上のお年寄りが集まる場で何かやってもらえないか」との依頼が。何をしようかと迷っていたとき、研修で見た劇団のことがふと頭に浮かんだ。「これなら私たちでもできそう」と思った三島さんは、野々田さん、不破さんと3人で、催眠商法を題材にした寸劇にトライ。この日を皮切りに、依頼があると、その日に都合のいいメンバーが集まって不定期に公演を行ってきた。5人それぞれが家庭や仕事、他の活動との掛け持ちのため、そろって出演できないことも多い。
|
| 抜群のチームワークで、被害を
未然に防ぐための心得を伝える |
脚本、演出は三島さんの担当。小道具は各自が家にあったものを持ち寄ったり、「100円ショップ」で手に入れるなどした。また、姑役は木田さん、相談員役は野々田さん、嫁役は不破さん…など、大まかな配役は決まっているが、伊藤さんのように、ときには悪徳業者、ときには嫁と、日によって役柄が変わるオールマイティーな人も。
決まったせりふはあるものの、ノリのいい観客が集まったときには、アドリブがさく裂することもあるとか。
身近な言葉を用いたせりふと、日常生活のワンシーンを切り取ったような巧みな演技で、会場にはしばしば笑いが飛び交う。演目はひとつにつき10分とかからない。それでいて要点はきちんと押さえてあるので、人によっては、パンフレットを読むよりも、あるいは話を聞くよりも、知っておきたい内容が頭に残りやすいのではないだろうか。
今春には正式なグループ名を決定。「つくしんぼ」と名付けた。「春を知らせるつくしには、生命力があって、グングン伸びていくイメージがあった」と三島さん。その後は、消費者月間のイベントで、講演会の前座を務めたり、消費者行政の担当者を集めた研修会、福祉センターの高齢者講座など、活動の場を次々と広げている。午前と午後の“ダブルヘッダー”もクリアするなど精力的だ。
中学生向け公園も
今月下旬には、活動を開始して以来初めて、中学校で公演する予定。「子供たちに身近なテーマを設定し、できれば子供にも参加してもらえるスタイルにしたい。今までとは勝手が違うのでとまどいもあるが、子供たちからいい意味で反応が得られればうれしい」と三島さん。
「当初はここまで続くとは思わなかった。健康で、家族の協力があってこそと感謝している。公演のテーマとなる(消費生活上の)問題も次々と新しいものが出てくるので、私たちの寸劇も進化していかなければ」と木田さん。公演の内容は、対象や時間、要望に合わせて設定するとのこと。
依頼や問い合わせは代表の三島さん(TEL0583・83・9591)または岐阜県庁県民生活安全室(TEL058・272・1111)まで。