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「私にもこういうものが作れるんだ、
という達成感を多くの人に味わって
もらいたい」と栗田さん
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ここ数年、若い人たちの間でも和服を好んで着る人や、古布を生かした服を身にまとう人が増えている。せっかく着るのなら、世界で1点のオリジナルを自分で作りたい―約15年前から着物をリフォームした服を手掛けている岐阜市花園町の栗田千代さん(57)の「ちよ工房」を訪ね、着物リフォームの魅力について聞いた。
作って喜び、着て喜ぶ
背筋がしゃんとなる服
栗田さんは、子ども用フォーマルウエアのデザイナーとして25年間活躍。仕事が一段落ついた15年ほど前、「一生楽しんでいけることを」と考えたときに浮かんだのが洋服作りだった。元々着物や古美術品が好きだったこともあり、古い着物をリフォームした服を作っては、自ら着て楽しむように。そして、たまたま、とある画廊を訪れた際、その素晴らしさがオーナーの目に留まり「面白い服を着ている。ぜひ個展をやってほしい」と頼まれた。2年の月日をかけて50〜60点の作品を準備し、平成5年に初の個展を開催。以後、東京や名古屋のデパートなどでも作品を紹介する機会に恵まれた。
と同時に、個展で栗田さんの作品を見た人たちから「作り方を教えてほしい」、「教室はありませんか」という声が聞かれるようになったため、昨年5月に教室をスタート。口コミでうわさが広まり、今では岐阜市内だけでなく、県外から通ってくる生徒もいる。
小さい子どもがいる若いお母さんから、定年を過ぎた60代の女性まで、年齢層はさまざま。母親に勧められて習い始めた娘さんや、親子で習いに来た人もいると言う。教室は週3日開かれており、1日につき最大7人までの予約制。決まった時間に来るのが難しい主婦のために、料金は月謝制にせず、1回払い(2000円)とした。生徒にとっては行かなければならないというプレッシャーがなく、都合に合わせて通えるので、肩の力を抜いて楽しめるようだ。
なかには、仕事を持っていたり、介護に追われている生徒さんもいる。それゆえに、行けるときにはできる限りのことをしていきたいという気持ちが強い。早い人で朝は開始30分前から集まり始め、お弁当を持参して夕方5時ごろまで一日中、洋服作りに没頭する。
「皆さんすごいバイタリティーをお持ちで、前向きな方ばかり。みんなが楽しんでくれるから、私も教室の時間が楽しみだし、パワーをもらえます」と栗田さん。教室を始めた当初は不安もあったが、今では「1日がもう終わっちゃった」と思えるまでになった。
何を作るかは栗田さんの作品や、各自が持参した本などから選ぶ。ミシンを何十年も触っていないという人でも、直線縫いのこつから丁寧に教えてもらえるので安心だ。よほど手の込んだものでない限り、3回で1着は作れるそう。「一つ作り終わると、次はコレ、その次は…と、どんどん作りたいものが出てくる。作った服を着て出掛ける楽しみもあるし、ほめられるとやっぱりうれしいもの。ダンナさんに『いいセンスだね』と言われて、変わっていく人もいます。やっぱり女性はいつまででもおしゃれしてなきゃ」(栗田さん)。
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「話し声が教室の外まで丸聞こえになるほどにぎやか」(栗田さん)なときも
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着なくなった羽織も
そもそも、タンスの中で眠っていた昔の着物に再び光が当たるようになったのはなぜか。「大正、昭和初期の着物地はきれいな色が多いので、若い人にとってはそれが新鮮だし、昔の時代へのあこがれもあるでしょうね。絹は軽くてやさしいから、着ていても楽だし、心が癒される感じ。私も見ているだけで幸せです。いい生地に出会ったとき、『どういう服にしようかな』と思いを巡らすのも楽しい。絹を着るということはある意味ぜいたくなこと。でも、古美術品店で5,6000円で生地を買って作れば安いですよね」と栗田さん。毎月9の日に金公園で開かれる骨董市などに足繁く通って、生地との出会いを探している。
今後の抱負を聞いてみると、「もっと若い人に一人でも多くモノを作るおもしろさを知ってもらいたいし、作ってほしい」とのこと。「これからは作ってあるものを買うのではなく、自分で作って楽しむ時代。日本の着物ほど手のこんだものはありません。捨てられる寸前のものでも、リサイクルすれば誰も着ていないような素敵な服になります。教室は和気あいあいとした雰囲気で、皆さんすぐ友達になっています。男性の方も、着なくなった羽織などを持ってぜひどうぞ」(栗田さん)。
教室は毎週水・木・金曜の午前11時〜午後4時。予約・問い合わせはTEL058・251・1731