10月24日(日)まで岐阜市で開催中の「第26回ぎふアジア映画祭」。近隣の国の文化を多くの人に知ってほしいと、岐阜で過去に上映されていない作品を中心に、毎年優れたアジア映画をセレクト、上映している。一昨年からはボランティアの「市民サポーター」も企画、運営に参加するようになり、行政主導から市民主導のイベントへと変わりつつある。その1回目からサポーターを務める各務原市在住の主婦、大江繁美さん(53)にサポーターの活動内容や映画祭への思いを聞いた。
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| 映画のほか、料理、ガーデニング、テニスなど、数多くの趣味を楽しむ大江さん。「好きなことだけやっているからストレスも感じない」とか |
「ぎふアジア映画祭」は1979(昭和54)年にスタート。岐阜では見る機会の少ない“単館系”の作品をこれまで数多く上映してきた。
2002年には、行政と市民が協働することで、地域をさらに活性化させたいと、市民サポーターの募集を開始。大江さんは、岐阜市内の会社に勤める娘さんを通じてそのことを知り、母娘ふたりで応募した。以後、3年連続で映画祭の運営に参加。現在は運営委員会の中心的なメンバーとして活動している。
世代を越えた活躍の場
今年サポーターに登録した人は34人。10代から60代までと世代の幅も広く、学生、主婦らと多彩な顔ぶれがそろう。主に宣伝を担当する大江さんは「たくさんの人にこのイベントの存在を知ってもらうことが大切」と、ポスター張りや街頭でのチラシの配布、各メディアでの告知や取材への対応に追われた。
宣伝班のほかにも、上映前に流す、携帯電話の電源オフをうながす映像を企画、制作する映像班、映画祭のサイトを制作するホームページ班などがあり、各サポーターが自身の特技や興味を生かして自主的に活動している。「映画祭が始まるまでの準備段階が最も大変です」と大江さん。先に述べた活動のほかにも、上映する映画の選定からポスター・チラシのデザイン、上映当日に配布するパンフレットと、作品やその国に関する豆知識を紹介する「かわら版」の作成、会場運営にいたるまで、サポーターが果たす役割は大きい。
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| チラシのデザインは複数のサポーターのアイデアが融合。かわら版もサポーターが自主的に作り始めた |
「それぞれにできる範囲で活動しています。仕事が忙しくてなかなか参加できないという人は、チラシ配りやチケットのもぎりだけでもいい。少しでもやってみたいと思ったら、ぜひ参加してください」と大江さん。より多くのサポーターと一緒に映画祭を楽しみたい、盛り上げていきたいという気持ちが伝わってくる。
アジア映画の魅力をたずねてみると、「例えば、お金やセットが不足しているような国の作品を見ると、プロの俳優ではなく、一般の人が役を演じていたりする。作品自体は作られたものだけれど、スクリーンからは、まるでその国の生活を切り取ったみたいに『国そのもの』が伝わってくるんです」
元々「人とかかわることが好きで、みんなが喜んでくれる顔を見るのが楽しい」と大江さん。サポーターとしての活動を始めてからは、「自分だけが楽しめばいいという立場から、人にすすめる立場になった」。そのためか、アジア映画の監督を紹介する新聞記事を見つけると切り抜いて保管したり、アジアの音楽に関心を持つようになるなど、日常生活でも「アジア」をより意識するようになった。「元々、思いついたらやってみようというタイプ」だけに、1年目は指示に従って活動していただけだったが、2年目、さらに今年は、さまざまなアイデアを出し、できることはすぐに実行する。「お客さんが『すごく楽しい映画だった』とアンケートに書いてくださったり、野外上映(今年は既に終了)のエンドロールで拍手が起きたときは本当にうれしかった」と話す。
「今後もサポーター活動は続けていきます。いつか、アジア料理やアジア雑貨の店と一緒に『アジアフェスティバル』を開きたい」と、とびきりの笑顔で抱負を語ってくれた大江さん。サポーターの思いが結集した、手づくり感あふれる映画祭。この機会に、ぜひ一度足を運んでみては。
今後の上映予定は次の通り。25日(土)午後2時半「鬼が来た!」(中国)。26日(日)午後2時「インファナル・アフェア」(香港)、同午後4時半「藍色夏恋」(台湾=フランス)。10月7日(木)午後2時および午後7時「母と娘」(フィリピン)。15日(金)午後7時「おばあちゃんの家」(韓国)。23日(土)午後2時「グル・ダットを探して」(イギリス)、同午後4時「十四夜の月」(インド)。24日(日)午後2時「グル・ダットを探して」(イギリス)、同午後4時「渇き」(インド)。
なお、9月25日(土)午後2時より、名古屋の映画館「シネマスコーレ」支配人、木全純治氏による中国文化講演会がある。会場は10月7日(木)が岐阜市文化センター小劇場、15日(金)が柳ケ瀬・CINEX、他はすべて岐阜市民会館大ホール。チケットは1回券800円(当日1000円)、3回券2100円。10月23日(土)、24日(日)は1枚で2作品を鑑賞できる。チケットの取り扱い先など、問い合わせは岐阜市民会館TEL058・262・8111