ブライダルコンテスト会場でモデルに囲まれる小林保子さん(中央)
昨年の卓越した技能者「現代の名工」に、日立市から美容・着付師の小林保子さん(65)=オパール美容室=が選ばれた。小林さんは45年間この道一筋。ヘア・メークで独自の技法を確立したほか、着付けでも現代的な応用を加えた。全国大会などで多くの賞を受賞し、後継者の育成にも貢献。ボランティア活動も含め幅広く活躍している。
「人に認められるまでは自分との闘いでした。人との出会いを大切にすればチャンスはあります。感謝の気持ちを常に持つこと。人に教えることにより、
また人から教えられます。いつも勉強、努力、奉仕の気持ちでずっとやってきました」と温かい笑みを浮かべる小林さん。
小林さんは、東京・浅草の美容学校を卒業後の昭和37年23歳で日立市にオパール美容室を開業した。以来、美容一筋。全日本美容講師会の運営委員で、県美容組合理事を務める。県美容技術専門学院の副校長として後継者の育成に力を尽くし、多くの全国大会受賞者を育てた実績がある。平成15年11月には県職業能力開発協会から後継者の育成に貢献したとして感謝状を授与された。そのほか、各種競技会などでも数多くの受賞歴を誇っている。
海外での活躍も目覚ましい。昭和60年のニューヨーク・カーネギーホール、同62年のワシントン・「さくら祭」をはじめ、アジア大会や世界大会の着物ショーに出演した。花嫁衣装の着付けを得意とし、帯結びは古来伝えられてきた何百種類もの技法を研究し習得した。さらに現代的な応用を加えて創作帯結びを考案。小林さんは「日本文化を広めるのが私の使命」と話す。美容専門誌「さらさ」、「ヘヤと帯結び」などで成人式や結婚式のヘア・メークや着付け、創作帯結びなどを紹介している。
オパール美容室はこれまで特別な宣伝活動は行っていないが、口コミで顧客が増えていった。従業員には基本的に住み込みをさせるのが小林さんの方針だ。「徒弟制度の修行は厳しいですが大切。従業員は宝です」。
小林さんは、昭和40年ごろからニューヨークやパリなど海外に積極的に出向き、世界大会などを見学。そして学んできたことを従業員に教え、海外研修もさせる。小林さんの指導が実り、従業員の中には全国大会で賞を取った人も。
また、30年以上前から老人ホームで、お年寄りにカットやパーマを施すボランティアも行っている。趣味は油絵で、月刊「美容界」の表紙になるほどの腕前。美容室店内にも小林さんの絵が飾ってある。
今回「現代の名工」に選ばれたことについて、「自分の器以上の賞を頂き、うれしいですが重荷です。素晴らしい賞を頂いたので、これからも美容組合に奉仕していきたい」と控えめだ。