美しい花が咲き乱れる庭に、そば工房とテラス─。日立市中丸町の「いま野苑」は、今野順夫さん(68)が定年退職後に自宅で開いた店。陶芸を趣味とする美千子夫人手作りの器で、太平洋を眺めながら味わう香り高いそばは格別である。
「定年後は会社勤めをしていた時に体験していない、いろいろなことを『定年後の小さい冒険』と名付けてやりたいと思っています」と話す今野さん。
平成8年11月に行われた笠間市の「匠まつり第1回そば打ち名人大会」で優秀な成績で表彰され、平成13年4月に「いま野苑」をオープンした。現在も、そば打ちを楽しみながら、店を営む。
今野さんは「多くの人と出会い、『そばおいしいね』と言われるのが喜びです」と話す。
「いま野苑」では金砂郷町のそば粉を使用している。メニューはざるそば(700円)、てんぷらそばセット、カモ南付けそばセット、とろろ付けそばセット(各1000円)など。
店の営業は4月から11月まで。今野夫妻は3年前から店を閉める冬場の時期を利用し、ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリアを旅している。今野さんはことし1月8日から31日までの3週間、オーストラリアを訪れ、ケアンズの語学学校で語学研修を体験した。
「ホームステイし、若い人たちと楽しく勉強できました。毎晩2時間くらい、宿題に時間を費やしました」と今野さん。
研修後には美千子夫人と友人夫妻が加わり、レンタカーでシドニーまで約2週間旅し、2月16日にようやく帰国した。
「わたしたちのようにバックパックを背負ってレンタカーを借りモーテルに泊まるような気ままな旅をしている人たちはあまりいません。主人の仕事の関係でブラジルに住んでいたのでできるのだと思います」と美千子さんはにこやかに話す。
今野夫妻は定年後の人生を共に、生き生きと過ごしている。
いま野苑 TEL 0294・35・1151 要予約。
農業へ高まる関心
講習盛ん、60歳以上対象も
農業に、関心を持つ人々が増えている。国土を活用し、食料を生産する産業としてとらえ、安全性や環境問題を含めて”農業”を学ぶ場が増えている。
内原町の日本農業実践学園の「就農準備校」では稲作コースと有機野菜コースの二つに分かれ、講習がスタートした。有機野菜コースには県内外から、29歳から59歳までの28人が受講。約半分の受講生は数年後に定年を迎える。リーダーの矢沢佐太郎さん(64)の指導の下=写真、ジャガイモの植え付けと果菜類の苗の移植を実習する。
稲作コースには10人が受講。指導には武田磐城さん(58)があたり、機械で植える箱苗作りを実習。10月末までのロングランで、コメ作りに取り組む。
同校の開校式では、加藤達人学園長(52)が70年以上にわたる歴史と伝統を持つ同学園の意義を語り、県農林振興公社の山田健雄農業担い手育成室長(53)が県内農業の実態などを紹介、受講生に農業についての新しい発見をしてほしいと呼び掛けた。
このほか今月から厚労省の職業訓練コースの一環として、15歳から65歳までを対象とした「農業実践科」が新設された。さらに、60歳以上を対象にした県教委主催の「弘道館アカデミー・茨城ゆうゆうカレッジ専門課程園芸コース」も始まっている。
各講座の受講者たちは農業への目的意識もはっきりしており、意欲的に取り組んでいる。
問い合わせは日本農業実践学園 TEL 029・259・2002、県農林振興公社 TEL 029・239・7131