中高年の再就職が依然厳しいなか、中高年は就職のため会社に自分をどう売り込んでいけばいいのか、専門家の講師がそのノウハウを伝授する講習会が人気を集めている。宮城県雇用開発協会が開いている、再就職支援セミナーがそれだが、受講料も無料とあって、講習会はほぼ定員に達している。求人側の「即戦力」としての中高年への期待はこのところ高まってきており、好機到来ともいえそう。再就職に苦労する中高年のため、特に役に立ちそうなポイントをまとめてみた。
■履歴書の書き方
 中高年は次のようなところに気を付けたほうが良い。
【職歴数・転職回数が多い場合】入退社はすべて記入する。退社の場合、その理由は「一身上の都合」だけではなく、前向きな転職であることをアピール。例えば「キャリアを生かすため」「地元就職のため」「資格取得のため」
 また、志望職種と同じ業種で働いた経験があるときは、それが短期間でもアルバイトとしての勤務であっても積極的に職歴欄に記入する。失業していた期間が長いときは、その間何をしていたかを簡潔に書く。
【志望動機欄】書かないほうが良い表現。「御社の将来に魅力を感じた」「社風が自分に合う」など月並みなこと。
 また、求人側が提示した希望年齢の幅より自分が年上であったときは、それでも応募した理由を積極的に書く。「47歳という年齢は御社の応募条件には合いませんが、24年にわたって事務用OA機器の営業を行ってきたことにより、顧客のニーズにあった商品を提案するノウハウが身に付いているかと自負しております(略)」(同セミナー)
■履歴書より重要な職務経歴書の作り方
 中途採用では履歴書に加えて職務経歴書が求められるのが一般的。履歴書と違うのは、書式が決まっていないこと。応募者は自分だけの経歴書を作ることができる。応募者の工夫次第で、効果的な自己PRができる。
 作成では次のようなことに留意したほうが良い。
 1.用紙はA4サイズ、1〜3枚程度にまとめる
 2.上下左右に20ミリ前後の余白を空ける
 3.
ブロック別構成とし、スペースを取って読みやすいレイアウトにする
 4.
自筆、ワープロどちらでもいい。横書きのほうが読みやすい
 5.内容にはストーリー性を持たせる。そこに「即戦力」であることを
  アピールするため、自分の知識、経験、実績を織り込む。
いつどこで、どんな仕事をして、どのような成果を生んだか、仕事を通じて取得した資格、表彰歴、これからの仕事の方向性などを分かりやすく書く。
 特に最近の職歴は詳しく記述する。採用側は「過去の栄光」ではなく「即戦力」としてどれだけ期待できるかを見ている。
 職務経歴書の様式には2つの基本型がある。職歴を年月を追って書いていく「編年体式」と年月にはとらわれず、仕事内容別にまとめる「キャリア式」。その併用形もある。
 また、自己PR文を履歴書、職務経歴書と併せて提出すると効果的。こちらも文章、レイアウトとも読みやすくするのが重要なポイント。
■主な就職先は中小企業・その長所と短所
 中高年への求人は圧倒的に中小企業が多い。同セミナーがあげる中小企業は次のような特徴がある。
 経営者=オーナーは株主、会社は私有物という意識が強い。経営はワンマンで社長の失敗は致命的となる。
 組織形態=あまり合理的な組織でないところが多い。組織で仕事を進めるというよりも個人プレーで仕事をこなす要素が濃い。個人の権限が広く、やりがいがある。
 人材=人材は少なく、特殊技術を保有し、経営しているところは多くない。学歴、学閥はほとんどなく、実力主義的。力仕事と人海戦術に頼りがち。
 競争力=過当競争的な企業が多い。下請けでない会社のほうが独自の技術を持ち、競争力がある。
 労働環境=環境の影響を受けやすく、経営は不安定になりがち。大企業と比べると労働条件も劣るが、職場で自分の個性や長所が発揮しやすく、定年延長も望める。
■中高年の求人が少ない理由
 1.年齢とともに性格が頑固になり柔軟性に欠けてくる
 2.
創造性や知的好奇心が少なくなる
 
3.文句は言うが、実行力が伴わず責任を取りたがらない
 
4.今までに勤めた企業の習慣にこだわり、新しい職場の社風になじまない。
■面接成功の要点
【応募理由明確に】
 「自分のキャリアが貴社で働けたら充分に生かせるはず」と強調する。会社の業種、製品、技術などの特徴を事前に調査し、そのうえで「私の知識、技術、経験が貴社にはこのように役立ち、会社のこんなところに貢献できる」と話す。
【堂々と自己PR】
 自分の得意分野とそれを駆使して過去にあげた実績や成果を必要ならば数字やエピソードも交えて披露する。仕事上の信条、取り組み方、また、自覚する自分の性格や「他人は自分をこんなふうに評していることが多いようです」と遠慮せずに。
【想定質問への準備をしておく】
 中高年にはこんな難問、奇問も待ち受けている。以下、よく出そうなもの10項目を。
 1.部下を持ったり、指導した経験は。その際、最も留意したことは何ですか
 2.職歴のうちでやりがいを感じたのはどの仕事ですか
 3.当社で1人前になるまでにどのくらいの期間が必要ですか
 4.この職位であなたは満足できますか
 5.あなたはどんなタイプの管理者ですか
 6.あなたが採用する側だったら、人を雇用するポイントは何ですか
 7.自分より若い上司にはどのように対処されますか
 8.今までの会社で上司や部下たちは、あなたを
  どう評価していると思いますか

 9.事務所での勤務と工場での仕事ではどちらが向いていると思いますか
 10.退職後のライフプランをお聞かせ下さい。
昔の夢捨て一から出直し
 同セミナーは受講生の間では今のところおおむね好評のよう。ただ、再就職の成否を決めるのはやはり求職者の「人間力」。同協議会宮城高齢期就業支援センター相談員の菅野正孝さんは再就職できる中高年のタイプを「これでも課長、部長だったんだという以前の自分をひきずっている人は駄目。一から出直すと気持ちを切り替えて、いつも好奇心を失わない快活な人が結局は再就職を手にする」と話している。
 同セミナーの今年度の予定は別項の通り。同協会TEL022・742・3050