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今年チベットに挑戦 スケッチブックに足跡刻む
第2の人生のスタートは山とともに−。さいたま市南区に住む日本山岳会会員の田口憲司さん(60)は山岳サークル「JACSEM」を主宰し、今までに数々の山を踏破してきた登山家。昨年、40年来勤めた銀行を無事に定年退職し、ことしから本腰を入れて登山に集中。「生涯現役として山で学んだことを山で恩返ししたい」とこれからの抱負を語る田口さん。新年を迎え、定年後の新たな人生もやる気と希望に満ちあふれている。 |
田口さんは羽生市生まれ。小さいころから木の上に登って隠れ家を作ったり、木に張ったロープにぶら下がったりして遊ぶのが大好きな子供だった。そんな田口さんが山に魅せられたのは小学校3年生の時。柔道家で学校の校長をしていた父親に連れて行ってもらった長瀞・宝登山への山登りだった。高校、大学と進学してから本格的な登山を開始。その当時から社会人の山岳グループにも積極的に参加するなど、どんどん山にのめり込んでいった。県内の銀行に就職してからも山岳部の主将と部長を歴任。現在は学生時代に同志と結成した山岳サークル「JACSEM」の代表を務めている。
「JACSEM」には22歳から67歳まで、現在67人のメンバーが所属している。岩山、雪山の登山と海外遠征を中心に行う上級者グループから、基礎を学ぶ初心者のグループまで構成は幅広い。最近の中高年登山ブームを受け、50代、60代のメンバーも全体の約半数を占める。「野外活動、山が好きな人は初心者でも全く問題ありません」と話す田口さん。同サークルでは現在も広くメンバーを募っている。
海外遠征11回 正月は冬山で
今まで田口さんは11回の海外遠征を決行してきた。スイスのアイガー、マッターホルンやイランのデマベンド山など6千メートルから7千メートル級の山々も数多く踏破。国内でも今までに登った山は剣岳、穂高岳、明神岳など枚挙にいとまがない。そんな田口さんが語る登山の一番の魅力は「自然や人との出会いが多い」ということ。
毎回、登山で海外へ行くときに田口さんが必ず持参するものがある。横18センチ×縦13センチのスケッチブックで作ったノート。「あいさつ代わりに」と現地で出会った人々にサインを書き留めてもらっているものだ。パラパラとページをめくるとハングル語、ロシア語、インドネシア語などさまざまな言語が目に入る。「正確には読めないけど、中には『登頂を祈る』や『体に気をつけて』とコメントを書いてくれる人もいる。本当にうれしいですね」。田口さんの“登山の足跡”が刻まれた1冊のノートにはたくさんの出会いや思い出が凝縮されている。
例年、お正月には山岳サークル「JACSEM」のメンバーとともに長野県の穂高岳、六百山、霞沢岳に集中登山する。ことし一番の目標は標高7206メートルのチベットの山に登ること。「必ず達成したい」と目を輝かせて意気込みを語る田口さん。山を舞台にした田口さんの“第2の人生”は今始まったばかりだ。
山岳サークル「JACSEM」についての問い合わせ、入会希望者は封書にて切手同封の上、〒331-0802 さいたま市北区本郷町2104の5 金子身雪まで。 |
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