「一緒に出掛けるのが円満のこつ」と
話す角田さん夫婦

 肥満と生活習慣病に悩む中高年の皆さん、山登りが一番の特効薬です−。加須市上三俣にある、つのだ小児科医院院長の角田朋司さん(68)は妻の広子さんとともに「日本百名山」を踏破。このほど2人の登山の足跡と、医学的効果をつづった「百名山登頂ドクターの山歩き健康法」(B6判・254ページ)を発行した。本には登山が中高年の健康にいかに優れているかなど、分かりやすく解説されている。

 角田さん夫婦が百名山を登り始めたのは2人が57歳の時。平成5年5月に登った福島県の安達太良山(あだたらやま)が皮切り。末娘が結婚し、子育てから解放されたことで「夫婦一緒に何かできることはないか」とお互いに相談。2人が昔から共通の趣味だった登山を始めることにした。
 当初は百名山を登る計画など全くなかったが、いつしか続けているうちに百名山の半分以上を登っていることに。「ここまで来たら、頑張ればわたしたちでも百名山が踏破できるのでは…」
 その後もチャレンジを続け、平成13年11月に群馬県の草津白根山を登り、ついに百名山すべてを踏破。初登頂から9年、2人が65歳の時だ。
 9年間にはさまざまな苦労も。平成6年に5番目の山として登った富士山での出来事は、今でも強く脳裏に残っているという。順調に2人で山頂を目指していたが突然、8合目で広子さんが高山病に。疲れた体に襲い掛かる頭痛と吐き気。「これ以上、登るのはもう無理…」。そんな時、あきらめかけていた広子さんを励ましたのは隣で重い荷物を背負ってくれた朋司さん。「今でもあの時、汗ダラダラになりながらも、山頂で味わった新鮮な空気は忘れられません」。広子さんは笑顔で話す。
 本を出版したのはことしの2月。医学的な視点から初心者でも分かりやすく書いてあるのが特徴だ。例えば、登山に向けた普段からのトレーニングの仕方、ねんざや高山病など応急処置の方法、登山の計画や準備、または歩き方のこつなどイラストや図表付き。さらに夫婦で登った百名山踏破への道のりや、夫婦登山の楽しみなども記載されている。
 仕事や子育てなどに追われ、昔は夫婦で一緒に出掛けることがなかなかなかったが、登山を始めてからは年に数十回と2人で出掛ける機会も増えたとか。
 そんな2人は生年月日が全く同じという珍しい夫婦。高校3年生の時に別々のグループで福島県の磐梯山(ばんだいさん)に登った際、山頂で出会ったのが最初。それから結婚し、五十数年の月日がたった平成13年、夫婦で力を合わせて百名山を踏破するという、まるで“運命の糸”で結ばれているかのようにドラマチックな巡り合わせの2人。

夢は夫婦で海外登山
 「開業医だから女房も仕事仲間の感覚。休みが同じだから出掛けるのも一緒になる。これが夫婦円満の秘けつかな」と朋司さん。
 次の目標は海外の山にチャレンジすること。「カナダやニュージーランドの山小屋でのんびり過ごしたいですね」。そう話すと2人はにこりとほほ笑む。
 本は定価1575円。問い合わせは山と渓谷社TEL03・3436・4046