「レッズが好調で店が忙しくて、なかなかスタジアムへ行けないよ」と苦笑いの神宮字さん

 浦和レッズのサポーターが集う居酒屋として有名なさいたま市大宮区の酒蔵力(りき)。社長の神宮字明夫さん(61)はJリーグ開幕以来のレッズサポーター。毎年、数回はスタジアムへ足を運び、若い人たちに交じって声を枯らす。「レッズはわたしの生きがいであり、若返りの薬みたいなもの。死ぬまでレッズを応援します」と力強く“生涯サポーター宣言”。日本一を決める11日の試合もレッズの応援に心血を注ぐ。
 食肉の卸売業を経て、昭和44年に酒蔵力を創業した神宮字さん。常連客に応援団の人が居たことがきっかけで、自然とレッズサポーターが集まるようになった。県内9店舗の中でも浦和区仲町にある浦和本店は多くのサポーターでにぎわう店。壁のあちこちにレッズの旗やポスターが飾られ、店内は常に赤一色。先月20日の後期優勝時には約200人のサポーターが詰め掛け、50インチの大画面で一緒になって応援した。
 名物はシソをベースにした真っ赤な「レッズサワー」。メニューは焼き鳥やレバ刺し、牛タンなど肉料理が中心。ホームゲーム勝利時には無料でもつ煮が振る舞われる。「力」という名前も「肉を食べて元気を出してもらいたい」という神宮字さんの思いから付けた。
 「5年前にレッズが2部に落ちた時はお客さんと『日本一になるまで応援し続けよう』って共に励まし合いながら酒を飲みましたよ」。おなじみのねじり鉢巻きと真っ赤な衣装で話す神宮字さん。普段は大宮区堀の内町の本社に勤務する傍ら、週に数回は店に顔を出し、暇を見つけては各地へ応援に足を延ばす。「どこへ行ってもレッズの話ばかり。この年になってもたくさんの人と知り合えるのは本当に幸せなこと」。数年前には約50人の社員と一緒に社員旅行として大阪まで試合観戦に訪れるほど大のレッズ好き。
 ことし10月に起きた新潟県中越地震では店内に募金箱を設置して早速、現地に募金を届けた。2年前には「アフガニスタンの子どもたちにサッカー場を」と地雷撤去支援活動の募金を実施。「サッカーも平和あってこそ。今後も続けていきたい」と神宮字さん。
 いよいよ11日の土曜日、ことしのJリーグ日本一を決める「チャンピオンシップ第2戦」が行われる。レッズは緑区の「埼玉スタジアム2002」で前期優勝の横浜F・マリノスと対戦する。「ぜひ日本一になってレッズの黄金時代の足がかりにしてほしい。12年間待っていたのだから」。神宮字さんの夢はもう目の前だ。