木馬を囲むメンバー
 手作り木馬で商店街に活気を─。飯能市柳町の建築家・浅野正敏さん(54)らが運営する「木馬をつくる会」は手作り木馬を商店街の所々に並べ、街の活性化につなげようと活動を続ける市民ボランティア団体。地元商店街の協力を得て、駐車場の脇や店舗の前などに「訪れた人に親しみを持ってもらえれば」と手作り木馬を展示し、華やかさを演出している。こうした「つくる会」の木馬は少しずつ街の”シンボル”となりつつある。
 「つくる会」は飯能市や近郊の同志が集まり昨年2月に結成された。メンバーは浅野さんのほかに、飯能市大通 り商店街で酒店を営む井上七恵さん(55)、彫刻家の早瀬成憲さん(55)、林業を営む井上淳治さん(43)、そして日高市に住む森林インストラクターの古橋俊英さん(65)の5人。
 ことし市制施行50周年を迎えた飯能市の記念事業の一環として「地元ブランドの木材、西川材のPRと飯能市の街づくりを関連させて何かできないか」と思い立ったのがきっかけだ。
 「お年寄りから子供にまで親しまれているかわいらしい木馬を商店街のあちこちに展示し、街の活性化を図ろう」と5人が発起人となり「市制施行50周年記念地域づくり事業」として市に申請。正式に市から承認され、ここから活動がスタートした。
 木馬の素材は、市内にある天覧山一帯の間伐材を利用した。5月にはスギやヒノキなど野積みにされた木材を市民ボランティア約30人と協力し搬出。軽トラック約10台分にまで及んだ木材を使い、小学校で木の皮をむく実演教室を行うなど市民と一体になったイベントを展開した。
 また6月と8月には飯能大通り商店街にあるギャラリー「ゼフィルス」や商店街の一角で、「木工教室」や「ミニチュア木馬づくり」を開催。木に親しみを持ってもらおうと地元の小学生も積極的に招待した。
 現在は東飯能駅と天覧山を結ぶ大通り商店街に6台の木馬が点在している。銀行の前、米穀店の角、書店の入り口前など全長1・2メートルの木馬が商店街のあちらこちらで愛きょうを振りまく。最近では通 りすがりの人が気軽に頭をなでたり、子供が無邪気に遊んだりと、愛らしい木馬の姿が少しずつ市民にも浸透しつつある。
 このような「つくる会」の活動は、昨年の秋に林野庁と全国森林組合連合会が企画して行った「平成15年間伐・間伐材利用コンクール」で見事審査員奨励賞を受賞した。全国からの応募総数230点の中でも、「地域住民と一体になって間伐材の利用促進を促し、街づくりに貢献した活動」として高く評価された。
銀行前に置かれた
手作り木馬
 ことしは飯能商工会議所が主催する3メートルを超える世界大級の木馬を作る計画にも協力していくという。「木馬で何ができるか分からない。しかし積極的に活動し、街おこしのために頑張りたい」と井上七恵さん。「今までは西川材といっても飯能市民も知らなかった。しかし木馬=西川材、木馬=飯能といわれるくらい多くの市民に身近に感じてほしいですね」と浅野さんたちの木馬に託す思いは大きく膨らむ。