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千葉県の大学生が語ってくれたもの。祖父が死んだものの、葬式の日に生き帰ったという話。祖父によると、あの世で三途の川まで来ると、若い女が泣いていた。わけを聞くと、自分は某村に嫁いできた嫁で嫁ぎ先の姑がケチで死に装束を着させてくれなかった。自分は恥ずかしくてあの世へ行けない。あなたが現世に戻って持ってきて欲しいという。そこで、不憫(ふびん)思った祖父は快く引き受け、帰ってきた。祖父は某村を訪ねると、その姑はいて、確かに嫁は居たし、先日死んだし、死に装束は着けさせなかったという。そこで死に装束を初七日に仏壇に供えたという。
同じような話が徳島県にも残っていた。偶然の一致だろうか。ほかの民話にも死界と現世を行き来する例があちこちであり、同一の話に遭遇することが多いそうだ。
松谷さんは、五十年余り、全国を歩いて民話の採訪の旅を続けてきたが、河童伝説、天狗、神隠し、幽霊など不思議な話に遭遇する。それは西洋の唯物論や合理主義者には理解しきれない、わかりにくいことだろう。
旧日本軍隊の不思議な体験、あの世へ行った話、火の玉の話など多くの人々に語り継がれた民話を根拠がないからと馬鹿にしたり軽視することは間違っている。その話に秘められた豊かな奥深い世界に耳を傾けてみよう。中高年世代なら、豊富な人生経験からもっと多くの民話を抱いていることだろう。
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