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栗原さんの家業は綾瀬市小園地区で代々続いている農家で、幼少のころから、自宅で取れたわらを使ってしめ縄作りを行ってきた。「かつてはどの家庭でも年の瀬になると、しめ縄作りをしたもんだ」と栗原さん。しかし今では、家でしめ縄を作る家庭はほとんどなくなってしまった。
栗原さんは二十年以上、地域の民生委員を務め、いろいろな高齢者と出会うなかで、気付いたことがある。趣味を持っている人とそうではない人では、顔の輝きが違うということ。より良い生活を送るため、「自分も何か趣味を」と考えた。六十歳を過ぎたころ、「自分一人でできるから」と得意のしめ縄作りを発展させ、「ツル」や「カメ」、「宝船」などのわら細工に挑戦するようになった。
約十年前、栗原さんは同市職員らの勧めで、わら細工の特技を市生涯学習課主管の人材バンクに登録。これがきっかけで、地元の小学校や生涯学習センターから依頼が来るようになり、指導する立場に。近くにある米軍厚木基地から「日本の文化を知りたい」と声が掛かり、アメリカ人にわらじ作りを教えたことも。
もの作りをする上で材料の良しあしは大切だ。栗原さんはしめ縄用のわらにこだわりを見せる。茎がしなやかな「赤米」という原始米の一種を自ら栽培。八月に稲を刈り取った後、一日だけ天日に当て、日陰に干し新聞紙にくるんで保存する。そうすることで「わらの青さを保つことができる」という。
栗原さんの指導は、わらをよることから始まる。太さにばらつきが出ないよう均等によっていくのが最も肝心だ。縄ができたら、それぞれの形に結って完成。小学生にはわら細工のカメや鍋敷き、一般
の人にはしめ飾りを教えることが多い。「最近の人はわらに触れる機会があまりないみたい。寂しいことだ」と栗原さんは話す。
「毎年年末には、よそで暮らしている子供たちが帰ってくる」と栗原さん。家族みんなでしめ飾りを作るのが栗原家の年末恒例行事だという。
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