PR戦略を得意とする猪狩理事長
 豊富な人脈と経験を生かし、企業のOBらがあらゆる側面から中小企業を応援するNPOがある。横浜市中区のNPO法人VMCY(ヴイエムシイ)に活動を聞いた。
 「新しいアイデアですね」「経理はどうしていますか」「この書類の中にわたしが一度失敗したものがありますね。これはいけません」
 この日相談に訪れた横浜市の配食会社に、VMCYの3人のメンバーは明確で優しく、時に辛らつにアドバイスをしていた。相談に応じたメンバーは総合アパレルメーカーや非鉄金属会社などで、それぞれ第一線で活躍した企業のOBらだ。
 横浜市が平成10年から取り組んでいる、定年退職者を中小企業の経営支援として派遣するベンチャーマネジャー派遣制度。これに登録している約20人が、「横浜から情報を発信しよう」と、3年前にVMCYを立ち上げた。VMCYとはベンチャー・マネジャー・コミュニケーション・ヨコハマの略。商社、大手メーカー、銀行、食品会社などを定年退職した営業マンや技術者が集まっている、いわば”人材の銀行”だ。
 「中小企業の社長は、もともと技術者が多い。商品は一流でも、それをどう売り込むかが分からず、苦労しています。そんな中小企業に多方面から販路開拓の助言をしています」と語るのは理事長を務める猪狩惇夫さん(68)。猪狩さんはテレビ局で営業や事業にかかわっていた経験と人脈を生かし、広報や宣伝戦略をアドバイスしている。「コンサルタント会社なら、1人の意見しか聞けない。ここは、成功も失敗も知っているシニアの経験と知識が強み。何よりも人が売りですよ」
 同会は経営支援だけではなく、シニアの交流活動にも力を入れている。親ぼくを兼ねたサロン的な場として始まった「ハーバークラブ」では、セミナーや講演会を定期的に行っている。「シニアに元気がなくちゃ、地域が活性化されません」
 今後はシニアのNPO同士の連携や会員の補強に力を入れていくという。
事務局 TEL 045・650・5858