| <長崎市>日本初のまち歩き博覧会 |
かつて日本が鎖国していた時代、海外に開かれていた唯一のまち、長崎。同市では現在、日本で初めてのまち歩き博覧会「長崎さるく博」が開催中だ(10月29日まで)。長崎市そのものを博覧会会場、市内の観光名所をパビリオンに見立て、市民ボランティアが案内役を務めるユニークな試みだ。行政視察やリピーターも多いという、この催しを体験するため、長崎を訪ねた。
|
「さるく」とは長崎弁で「ぶらぶら歩く」という意味。「さるく博」では、歴史や文化など約40ものテーマに沿ってまち歩きコースを設定している(そのうち31コースはガイドツアー、1人500円)。各コースはおおむね2km、所要時間は2時間ほどなので、気軽に歩くことができる。地図を片手に思い思いにぶらぶらするもよし、ガイドツアーで"長崎通"になるもよしだ。
同博事務局の高橋秀子広報宣伝班リーダーは話す。「10代から80代まで約400人いるガイドは、ボランティア。みんなこの街を愛してるんです」
今回参加したのは、ガイドツアー3コース。
まずはツアー「長崎は今日も異国だった」。ガイドの橋美如さん(39)の案内で同市南山手エリアへ。かつて外国人居留地だったこの地区には、「グラバー邸」など今でも洋館が多く残っており、エキゾチックな街並みだ。映画の撮影などでもよく使われる「どんどん坂」や「祈念坂」など坂が多いため、体力に自信のない人には少しきついが、高台から眺める長崎の街並みは「素晴らしい」の一言。特にグラバー園から見下ろす長崎港は絶景だ。
ところでこの辺りでは猫によく出くわす。よく見ると、どの猫もしっぽが短く、尾の先が鉤(かぎ)のように折れ曲がっている。なんでも古くからの外国船の出入りで海外種の猫がいついてしまったのだとか。同コースではほかにも日本最古のゴシック建築教会「大浦天主堂(国宝)」など見どころがいっぱい。
次に同市の中心部を散策する「長崎はローマだった」。このコースでは、豊臣秀吉のバテレン追放令によって26人のキリシタンが処刑された地「日本二十六聖人殉教地」を中心に、唐寺「福済寺」などを見学。西洋や中国、日本の"ごった煮"文化が実感できる。地元ラジオ局に勤めていたという岡田庄一さん(67)の軽快な解説も耳に心地いい。「ガイドは楽しんでやっています。地図を持って歩いている人を見ると、つい近づいていって長崎のことを解説したくなるんですよ」と岡田さん。
|
| 西洋の窓口・出島復元 |
|
| 日本二十六聖人殉教地脇にある「聖フィリッポ西坂教会」。スペインの建築家ガウディを日本に紹介した今井兼次の設計 |
鎖国時代、西洋に開かれた唯一の窓口として日本の近代化に大きな役割を果たした出島。同市を中心に、建物の配置や景観など往時の出島を完全復元する壮大な事業が進行中だ。現在、出島最大の建物「カピタン部屋(オランダ商館長の住居)」も復元され、"出島ワールド"が整ってきた。
ツアー「出島タイムスリップ」は、そんな出島の"あれこれ"を知ることができる人気のコースだ。各建物を回りながら、ガイドの宮崎健さん(63)が、オランダ人と遊女の関係など色っぽい話も織り交ぜながら、面白く説明してくれた。
秋の行楽シーズン。長崎で"さるいて(ぶらぶら歩いて)"みてはいかが-。
【長崎さるく博'06推進委員会事務局】
(TEL)095・811・0369
※「長崎さるくマップブック」(300円、郵送の場合は送料100円)は、事務局で販売中。 |