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1本の幹から赤、白、ピンクの3色の花が咲く花桃、4月中旬から開花は1カ月も楽しめる
 たまには騒々しい日常を離れて、素朴な田舎の温泉を楽しんでみませんか−。東京から車で約4時間。南信州の昼神温泉郷(長野県阿智村)。人口約6000人、宿が20軒余りと小さな温泉場だが、日本最大規模の花桃(ハナモモ)並木が自慢の知る人ぞ知る“癒やし”のスポットだ。岡庭一雄村長は「派手さはないが、花桃をはじめ味わい深い自然の中でゆったりできる。旅情を感じたい中高年層にピッタリ」とアピール。
美人湯でつるつるに
 「昼神(ひるがみ)」の地名はその昔、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が同地を通る際、白鹿に化けて立ちはだかった山の神を、口にかんでいた蒜(ひる)を投げつけ退治したという逸話から名付けられたという。
 温泉地特有の歓楽街はなく、ひっそりとしたたたずまい。交通アクセスがいいため、秘湯のイメージもない。いわば「秘湯とメジャーな温泉地の中間」(岡庭村長=写真左下=)で、気軽に“静けさ”を楽しみたい人にはお薦めの穴場だ。
 泉質は無色透明のアルカリ性単純硫黄温泉。マイルドな湯触りで、リウマチや運動障害に効能がある。そして何より肌がつるつるになる「美人の湯」として売り出し中だ。
 同村の自慢は、ひとつの枝から赤、白、ピンクと3色の花が咲く「花桃」。例年4月中旬から5月中旬にかけて咲き乱れる姿は息をのむほどの美しさで、まさに“桃源郷”だ。

国道沿いに4000本

 同村で旅館業を営む渋谷秀逸さん(67)=写真下=が、付近の草刈りを楽しいものにしようと約10年前に自費で花桃の苗木を購入し植えたのが始まり。最初は20本程度の植樹だったが、今では約4000本、国道沿いなど約4キロにわたって咲き誇り、日本有数の「花桃の里」に成長した。
 「野点や花まつりなど、この花桃で村おこしをしていきたい」と語る渋谷さんはいつしか人呼んで“阿智村の花咲かじいさん”。
 これからの季節はミズバショウも見もの。富士見台高原ロープウエー「ヘブンスそのはら」の敷地内には、約3000株のミズバショウが群生。見る者を癒やしてくれる。
素朴な味覚に舌鼓
 味覚は地元で取れるイワナなどの川魚や旬の山菜が中心。名物の馬刺しの味も格別だ。年中無休で、村の農家が開く「朝市」では、無農薬野菜や山菜などここでしか手に入らないものばかり。
 昼食にはそばがお薦め。地元農事組合が経営する「おんびら」は、県外にも熱心なファンがいる人気店だ。石臼でひいた同店独特の粗びきそば粉を使用した田舎風のそばは、風味とのど越しが絶品。
ウコギ、ワラビ、タラノメ、
フキノトウなどが並ぶ朝市
 そのほか、武田信玄の火葬灰塚や遺品を所蔵する長岳寺、木曽路の宿場町として江戸時代に栄えた妻籠宿や馬籠宿、飯田市の水引工芸館など観光名所もいっぱい。

◇1泊2日の旅
 日本旅行は「昼神温泉1泊2日の旅」を企画。出発日は4月21日(水)〜5月12日(水)で9回設定。申し込み、問い合わせはTEL03・3986・6901
[旅行プラン]
〈1日目〉 新宿駅(午前8時発)→ヘブンスそのはら→花桃見学→昼神温泉着
〈2日目〉 ホテル発→峠の本陣(土産店)→長岳寺(見学)→信州そばの昼食→水引工芸館→新宿駅帰着(午後6時ごろ)
旅行代金(各1人)
 「ひるがみの森」宿泊プラン(2人1室15,800円) 日長庵「桂月」宿泊プラン(3〜5人1室19,800円 2人1室21,800円)