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  埼玉版 平成29年4月号  
蜷川幸雄追悼公演で熱演  「さいたまゴールド・シアター」女優・重本惠津子さん

俳優への厳しい指導で知られた蜷川さんだったが、「不思議と私は言われたことがないんです。私が蜷川さんより10歳も上なので、“長幼の序”の気持ちからなんでしょうね」と重本さん
4月に同シアター代表作「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」
 演出家の故・蜷川幸雄が創設した高齢者演劇集団「さいたまゴールド・シアター」の代表作「鴉(からす)よ、おれたちは弾丸(たま)をこめる」が14日(金)から蜷川幸雄一周忌追悼公演として彩の国さいたま芸術劇場大ホールで約3年ぶりに上演される。同公演で裁判長らを裁く“虎婆(とらばばあ)”の役で出演しているのが重本惠津子さん(91)。劇団が発足した11年前から入団し活躍してきた同劇団最年長の女優だ。「蜷川さんが亡くなって女優をやめようかとも思いましたが、この劇団でやれるだけやってみようと思います」と力強く話す重本さんの舞台が注目される。

 2006年12月、さいたまゴールド・シアターの稽古場発表会で35年ぶりに蜷川演出でよみがえった「鴉(からす)よ〜」。13年にはパリ日本文化会館から招かれ、劇団初となるフランス・パリでの海外公演を実現。14年には香港特別行政区政府主催のNew Vision Arts Festival、パリの名門劇場パリ市立劇場での上演など、3カ国5都市を巡るツアーで延べ8000人以上を動員し、国内外で高い評価を得ている。

 二人の青年がチャリティーショーに手製爆弾を投げ込んだ罪で裁判にかけられている。そこへ彼らを助けるため爆弾、ほうき、こうもり傘などの武器を持った老婆たちが押しかける。看守を爆殺した後、老婆たちは法廷を占拠、検事らを裁判にかける。警察による強行突入の警告が流れる中、裁判官や検事、さらには助けに来たはずの孫(青年)たちにまで次々と死刑宣告を下す老婆たち。「あたしたちゃ、とうから狂っている、数百年、数千年前から憎悪で狂っているんだよ」。歴史の中で抑圧されてきた老婆たちの叫びが法廷に響くとき、驚くべき奇跡が起こる—。

 この劇で裁判長席に陣取って次々に死刑を宣告する虎婆役で出演している重本さん。舞台では酒瓶を手放さないほどの“のんべえ”という設定だが、実際の重本さんは「一滴も飲めないんですよ」。

 福岡県若松市(現・北九州市若松区)に生まれ、戸畑市(同戸畑区)で育った重本さん。高等女学校卒業後、18歳から小学校の先生をしながら地元のアマチュア劇団「青春座」で演劇活動をし、女優を志望していた。28歳で上京、劇作家・三好十郎の作品を公演していた「戯曲座」に入団、そこで2年間を研修生として過ごす。東京で生活するうち「これから生きていくためには勉強しなくてはいけない」と一念発起し、定時制高校を半年で卒業。読書好きだった重本さんは35歳で当時の早稲田大学第1文学部に入学しロシア文学を学んだ。さらに同大大学院修士課程まで進み修了している。

 勉学中に13歳年下の男性と知り合い結婚、長男と次男を授かった。その後、川越で子育てをしていた重本さんはある日夫から突然「離婚してほしい」と切り出される。

 同じ職場の若い女性が好きになったという夫に対し、「それなら仕方がないけど2人の子どもを私が引き取れるのなら」という条件付きで離婚に応じた。

 まだ6歳と2歳の子どもを抱え生活していかなくてはならなくなった重本さん。生計を立てるため庭の一部に建物を建て、塾を開くことにした。熱心に教える重本さんの塾は周辺地域で評判となり、多くの子どもたちが集まってくれたという。結局、30年間塾を続け2人の子どもを育て上げることができた。

 川越で次男夫婦と同居し老後を送っていた重本さんはある時、新聞で「55歳以上の男女で本物の俳優になりたい人」を対象とした、さいたまゴールド・シアターの劇団員募集が目に留まった。それを見たとたん重本さんは「そうだった。私は女優になりたかったんだ」と思い出す。すでに80歳になっていた重本さんだったが早速応募し入団、さいたまゴールド・シアターの重要な役を担うようになっていく—。

 「若いころから自分がやりたいことをやってきました」とこれまでの人生を振り返る重本さん。劇団生みの親で育ての親でもあった蜷川さんが昨年5月に死去した時には「女優をやめようか」とも思った。しかし、「劇団の仲間やスタッフの人たちもみんないい人たちばかり。やれるだけやってみようと思い直しました」と重本さんは話す。さいたまゴールド・シアターによる「鴉よ〜」の公演で、重本さんはずっと虎婆役を続けている。「この役をまたやれるのがうれしい。今までよりもっと力強く演じたいですね」と話し、にこやかに笑った。


撮影:宮川舞子
「鴉よ、おれたちは弾丸をこめる」
 14日(金)〜16日(日)、彩の国さいたま芸術劇場(JR与野本町駅徒歩7分)大ホールで。全3回公演。

 作:清水邦夫、演出:蜷川幸雄、出演:さいたまゴールド・シアター、さいたまネクスト・シアター。約70分。料金全席指定4000円。

 問い合わせは Tel.0570・064・939

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