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| 亡くなった夫が借金をしていた |
| 【問】婿養子であった夫が亡くなって5カ月が経過しました。夫名義の財産は何もなかったので、相続の放棄もせずにいたところ、最近になって夫に金を貸していたという人から突然内容証明郵便がきて、貸した金を返すよう請求されました。相続放棄をしていない以上私が返さなければならないのでしょうか。(北区、女性64歳) |
【答】民法第915条によると、「相続人は自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に、単純もしくは限定の承認または放棄をしなければならない」と規定されています。従って夫の借金が間違いないものなら期間経過前に家庭裁判所に期間の伸長の申し立てをしていない限り、3カ月の経過によって単純承認したこととなり、夫の借金も返済しなければなりません。
しかし、これでは夫に財産も無いかわりに、借金も無いと信じて3カ月が経過した後に、発覚した相続債務を引き受けさせるのはあまりにも酷であるとの考えから「相続開始を知った時」の解釈を拡張して、単に相続人となったことを知った時ばかりでなく、借金などの消極財産も含めた遺産の全容を覚知した時から熟慮期間の3カ月が進行するとの裁判例や学説が増えてきました。
このような立場に立つと、本問の場合は、貸金の返還請求を受けてはじめて消極財産を含めた遺産の全容を知ることができたもので、もし熟慮期間中に分かれば当然相続放棄したと思われるので、借金のあることを知った時から熟慮期間が進行することになり、まだ3カ月が経過していないのなら、相続放棄は可能となり、相続放棄が認められれば、夫の借金を返す必要はありません。(弁護士・山下英幸)
TEL 03・3508・0581 |
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