法律  
死後、貯金が残ったらいとこにあげたい
【問】現在老人ホームに入っておりますが、私には子供、両親、兄弟姉妹、それに夫もいません。いつまで生きられるか分かりませんが、死後貯金が残っていたら、いろいろと世話になったいとこ2人に分けてあげたいと思っていますが、それにはどのような手続きが必要か教えてください。(杉並区 女性79歳)
【答】法で定められている相続人は、子供、親、兄弟姉妹、それに配偶者に限られています。いとこには相続権が認められていません。従って死後残った貯金をいとこにあげるためには遺言が必要です。
 遺言の方式には、特別な場合を除くと自筆証書、公正証書、秘密証書の3つがあります。
 自筆証書は遺言者がその全文と日付、氏名を自分で書き、これに印を押すことで成立。
公正証書は証人2人以上が立ち会いのうえ、遺言者が公証人に遺言の内容を直接話し、公証人が口述されたものを筆記。これを遺言者と証人に読み聞かせるか閲覧させた後、遺言者、公証人、証人が署名、押印します。
 秘密証書は遺言者が証書に署名、押印し、これを封筒に入れて封印してから公証人1人と証人2人以上の前に封書を出して、自己の遺言書である旨と住所・氏名を述べる。
 そして公証人が日付などを封書に記載し、さらに公証人と証人が署名・押印することで成立します。
 右3つの方式にはそれぞれ一長一短がありますが、あなたの場合は一番簡単で費用も掛からない自筆証書遺言がよいと思います。この場合は、遺言書を誰かに預け、預かった人は相続の開始を知った後、できるだけ早く家庭裁判所に遺言書を提出し検認を受ける必要があります。なお相続人がいない場合は、遺言がないと原則として貯金は国に帰属します。(弁護士・山下英幸)TEL03・3508・0581