医療  
脳卒中の前兆はありますか
【問】近所で農業を営んでいる友人が、気分が悪いと家に帰り、救急車で運ばれましたが、その夜亡くなりました。脳卒中とのことで、日頃元気に仕事をしていたのに信じられません。脳卒中は前兆があるのでしょうか。(茨城県稲敷郡東町 男性63歳)
【答】脳血管障害、いわゆる脳卒中は、卒中(卒:突然に、中:倒れる)の名のごとく、前兆なく突然に発症する事が多いようです。脳血管障害は1950年代以降、30年に渡り日本人の死亡原因の第1位 になっていましたが、現在は、悪性腫瘍(がん)や心疾患に抜かれて第3位 となっています。しかし、死亡する人が減っただけで、決して発症する人の数が減ったわけではありません。脳血管障害の危険因子には、高血圧、心疾患、糖尿病、高脂血症、飲酒・喫煙、肥満、多血症(脱水症)、気候(寒冷地)などがありますが、日本人の食生活の変化に伴い糖尿病や高脂血症が増えていますので、特にこれらの病気を併せ持つ人は、脳血管障害を予防するために、血糖値、血清脂質、血圧を良好にコントロールすることが必要です。また、心臓病や不整脈の人は心臓内に血栓が出来やすく、血栓を予防する薬が必要になることもあります。さらに飲酒量 を減らしたり、禁煙することも大切です。このように、少しでも危険因子を減らして予防する事が第一です。また、脳血管障害の初発症状としては、頭痛、めまい、言語障害、歩行障害、尿失禁などが現れ、まひや意識障害へと進行していきます。
(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明)