医療  
大量に寝汗をかくのは何かの病気?
【問】最近、朝、目覚めると、パジャマがぐしょぐしょになるほど寝汗をかいています。睡眠は十分とっているつもりですが、寝起きがすっきりしません。日中も、疲れやだるさが残っており、気分があまりよくありません。それ以外は、特に体の調子の悪いところはないのですが、何かの病気の前兆ではないかととても心配になります。(板橋区 男性62歳)
【答】発汗には全身発汗と局所発汗があります。全身発汗は、正常状態では気温が高いとき、運動時や睡眠中に起こり、病的な状態では、肺炎や結核などの炎症性疾患、慢性腹膜炎、甲状腺機能亢進症、うずき、全身衰弱、妊娠、閉経期に、さらに心不全や手術・重篤な疾患の回復期にも起こります。局所発汗は、精神的緊張状態で手のひら、足底、わきの下に生じ、病的状態では、自律神経機能障害、くる病や慢性関節リウマチ、脳血管障害などでも見られます。
 ご相談の寝汗は、夜間に生じる多量発汗であり、肺結核や肺炎などの呼吸器疾患、慢性腹膜炎、慢性消耗性疾患で生じ、通常微熱を伴います。また、うつ状態でも寝汗は見られ、重要な身体症状のひとつですが、不眠、全身のけん怠感などの症状を伴います。
 一方、正常でも夜間、睡眠中には視床下部の体温調節中枢の働きで体温セットポイントが下がるために発汗を生じます。寝汗をかくと慢性炎症性の疾患が心配されますが、必ずしも異常とは限りません。発熱や自覚症状の有無を確認し、一度、医療機関で精密検査を受けるとよいでしょう。
(東京慈恵会医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 蔵田英明)