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奥秩父の修験の山・三峰神社の神の使いは“お犬さま”といわれる。日本武尊の道先案内をした山犬、いわゆる日本オオカミだ。標高1100メートルにある境内のあちこちに祭られているこま犬は、そのオオカミの姿をしたもの。
オオカミは自然のなかでは恐ろしい動物だが、山里ではイノシシ、鹿よけとして、町村では火ぶせ、盗賊よけに霊験あらたかとして、信仰を集めていた。
いにしえの時代から現代まで続く講社による三峰もうでの信仰は、関東一円はもちろん、長野、山梨方面
にまで及び、今でも登拝が盛んで、多くの人が四季折々の三峰山の自然を満喫している。
そのような中、近年脚光を浴びたのは、秩父市内で発見された日本オオカミの毛皮の発見だった。平成十四年に世界で七例目の標本として鑑定された毛皮は、三峰神社内に併設されている三峰山博物館で見ることができる。その標本は色つやも良く、息を吹き込めば、今にも動き出すような迫力に満ちている。
かつて山野をかっ歩していた日本オオカミは絶滅して久しいが、この山で続く信仰を見ていると、オオカミは人間の生活に身近な存在だったのだろうか。あるいは人間の恐怖と信仰は表裏一体のものだとも感じることができる。
西武秩父駅、秩父鉄道三峰口駅からバスまたはロープウエー利用。 |
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