ご利益石仏
 
 
 顔はやさしい弁天様だが、首から下はとぐろを巻いたヘビそのもの姿。異様なリアルさと迫力をもったこの石仏は、この地方では別 名「雲居の弁天様」と呼ばれている。
 弁財天は七福神のなかでは唯一の女性の神様。ヒンズー教の水の神様が、仏教に取り入れられて弁財天になったとされる。その水の流れは言語や音楽をつかさどり、学問と技芸、雄弁と知恵、福徳と財宝を授けてくれるありがたい神様。しかし、よりによってその女神の化身がヘビとは。
 ヘビが大好きという人もいないではないが、通常、大半の人はヘビを毛嫌いするはず。確かに、ヘビの抜け殻を財布に入れておくとお金が貯まるなどの言い伝えがあるにはある。
 しかし、「夜笛を吹くとヘビが出る」とか「ヘビを人さし指で指すとその指が腐る」、「ヘビに見込まれたカエル」などあまり芳しくないことわざが多い。だが、昔の人がこのような石仏を作り上げるほど、豊かな創造性をもっていたのには驚かされる。
 雲居の弁天様の背後には別のヘビだけの石板も安置されており、この地方の人々はよほどヘビを信仰の対象にしたのだろうか。本当に”へビー級”の厚い信仰のようだ。
 東武東上線鶴瀬駅から富士見市役所方面へ徒歩約25分。木々に囲まれた氷川神社境内にある池の中につきでた島の真ん中に鎮座されてる。