選者 小島千架子
特選三句
・忘れ物に蝉がら三つ夏終る
  町田市 渡辺 宏
〈評〉孫の去ったあとは、力の抜けてしまう作者です。忘れ物のせみがらを手にとって「夏終る」の感を深くしているのです。
・明治座へ泣きにゆくなり秋袷
  杉並区 石田康子
〈評〉「泣きにゆく」と、楽しみにしているからには、もう毎度のこと。そそくさとこれもお気に入りの着物をひっかけてー。
・馬肥ゆる空へみどり児抱き上ぐる
  東久留米市 根本澄子
〈評〉作者にとっては初孫さんか。「たかいたかい」と抱き上げる。健やかに平和などこにでもある風景が、いつまでも続くように。
入選五句
・研鑽といふほどもなく秋燈下 多摩市 新川文雄
・山あひの粗朶切る音や冬隣 日野市 宮原 京
・秋耕の後退ざる影伸びにけり 東村山市 津金 眞
・冬波の日々に尖りて日本海 中野区 深川礼子
・秋惜しみ沖田総司を惜しみけり 東久留米市 西内魚州
[選者から]俳壇へご投句の皆さまへ。たくさんのご投句うれしく拝見しています。選外になられても、あきらめず頑張ってください。
 投稿は毎月25日までに、はがきに俳句2句、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、選者の小島千架子氏(〒167-0034 杉並区桃井1の20の12)までお送りください。はがきの表面には必ず赤字で「定年」と明記を。