選者 小島千架子
特選三句
・瓢亭の朝粥に来て時雨けり
  目黒区 鈴木燕童
〈評〉古都を旅する人は一度は訪れたい店。前日から来ているのです。あれこれ説明せず、朝がゆと時雨との妙味を詠みました。
・其の話百回聞いた木の葉散る
  足立区 大槻ミネ
〈評〉年を重ねれば同じ話をしたがるものですね。ああ、またその話とうんざりするよりも、百回聞いたよ、は、ユーモラスです。
・干大根潜りて配る郵便夫
  練馬区 島崎俊雄
〈評〉雨でも雪でも郵便屋さんは大変だと思いますが、このように詠まれると、親しさがありその人の顔まで見えてきます。
入選五句
・秋水の音を絶やさず坊厨 調布市 菅 貞夫
・亡き母の着物を解くや秋の夜 渋谷区 伊藤キミエ
・繋がれし漁船のきしむそぞろ寒 新宿区 中村 功
・散らかして誰もゐぬ部屋十二月 練馬区 経塚暎章
・寄せ鍋に家族揃ひし日の遠き 文京区 石川初枝
[選者から]俳壇へご投句の皆さまへ。たくさんのご投句うれしく拝見しています。選外になられても、あきらめず頑張ってください。
 投稿は毎月25日までに、はがきに俳句2句、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、選者の小島千架子氏(〒167-0034 杉並区桃井1の20の12)までお送りください。はがきの表面には必ず赤字で「定年」と明記を。