選者 小島千架子
特選三句
・カンカン帽律義にかぶる父なりし
  文京区 石川初枝
〈評〉札所寺などでの情景でしょうか。「うとうと」と梅干を売るおばあさんの小さい姿が見えますね。平和なひとときです。
・七十を泰山木に問はれけり
  練馬区 山本マリ
〈評〉人生七十古来稀(まれ)なり、ですから自分にもついにこの年がやって来た。という気持ちで泰山木を仰いだその境地。
・甚平を着て物忘れしたやうな
  世田谷区 田中佐武郎
〈評〉木綿の夏衣を身に着けて、背広、ワイシャツの窮屈さから抜け出して、たっぷり開放感を味わっている気分ですね。
入選五句
・児の寝落つ軒風鈴の響きかな 世田谷区 長谷川瞳
・信玄の通りし道や夏の空 日野市 石田欣峯
・あめんぼう細き流れに流さるる 武蔵野市 村上厚子
・薫風もそへて柩を閉ぢにけり 板橋区 三井清一
・少年に還る音たつラムネ玉 練馬区 金子文衛
[選者から]俳壇へご投句の皆さまへ。たくさんのご投句うれしく拝見しています。選外になられても、あきらめず頑張ってください。
 投稿は毎月25日までに、はがきに俳句2句、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、選者の小島千架子氏(〒167-0034 杉並区桃井1の20の12)までお送りください。はがきの表面には必ず赤字で「定年」と明記を。(編集部)