選者 小島千架子
特選三句
・枯蘆の雀一羽の重さかな
  小金井市  越智佳子
〈評〉よく見た作品。重さというほどの目方があると思えない雀に、枯れアシがしなっていることへの、軽いおどろきが良い。
・墓地を得てよりの余生やふぐと汁
  渋谷区  長岡貝郎
〈評〉万人共通の安堵(あんど)感につらぬかれた作品。ひれ酒でも手元において、熱いふぐ汁をすする作者がうらやましい。
・念入りに造る小春の竹箒
  八王子市  石井白峰
〈評〉作者は95歳。いまも自家用のほうきを作っているらしい。念を入れてほうきの先をそろえる手元が見えるようだ。
入選五句
・鷹匠の声揺るがせり初景色 昭島市  小林詳三
・托鉢の僧に喜捨して冬の旅 立川市  落合 肇
・大寒や日当たる道をポストまで 板橋区  川井忠男
・ひとりだけ歩ける程の雪を掻く 三鷹市 大和谷慈子
・祭凧あげて空の鼓動を受け止める 府中市  村田 暹
[選者から]俳壇へご投句の皆さまへ。たくさんのご投句うれしく拝見しています。選外になられても、あきらめず頑張ってください。
 投稿は毎月25日までに、はがきに俳句2句、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、選者の小島千架子氏(〒167-0034 杉並区桃井1の20の12)までお送りください。はがきの表面には必ず赤字で「定年」と明記を。