選者 小島千架子
特選三句
・春うらら石の仏の長寿眉
  板橋区 川井忠男
〈評〉一読しただけで、柔和な石仏のお顔が見えてきます。のどかな野の中に立っていて、まゆ毛がもしかして伸びたのかも。
・冴返る松一本は天守跡
  三鷹市 中村花野
〈評〉松一本を浮きぼりにして城をほうふつとさせる、省略の効いた作品です。春なお寒い城跡に立った作者の凛(りん)とした気息。
・シャボン玉子育てに夢ありし頃
  杉並区 石田康子
〈評〉子育てのころがこつぜんと胸中にふくらんできたのは、幼子の吹くシャボン玉のせい。ひとり作者のみでなくー春の愁い。
入選五句
・お薬師の引戸あきゐて日永かな 町田市 小野隆志
・春雨にもの想うらしつぐみ一羽 文京区 工藤美紗子
・大寺の円き柱や燕来る 八王子市 中谷沓仙
・軍艦のやうな靴履き入学す 東久留米市 根本澄子
・春光を汲み上げてをり観覧車 世田谷区 長谷川瞳
[選者から]俳壇へご投句の皆さまへ。たくさんのご投句うれしく拝見しています。選外になられても、あきらめず頑張ってください。
 投稿は毎月25日までに、はがきに俳句2句、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、選者の小島千架子氏(〒167-0034 杉並区桃井1の20の12)までお送りください。はがきの表面には必ず赤字で「定年」と明記を。