| 選者 山下和夫 |
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・梯子より空のま中のサクランボまず頬張りて妻に手渡す
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| ・形身にと医師がくれたる診察券妻の温みが手の平に満つ |
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| ・子をなさぬ
我をいとしみ夫逝きぬ 音もなく降る雨の今宵を |
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| ・財布と共に疫病神も持ち去りしと思えばあきらめもつく この泥棒め |
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| ・新しき会社に意欲もやす息子の瞳にまぶし園の桜木 |
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| 〈評〉一首目、サクランボは天よりの恵。作者はそれを頬張り、次に地上の妻に渡す。天の恵みを地上の妻へと一直線につなげる。この三者はいずれも天と地の中に生かされている。二首目、医師より渡された亡妻の診察券が、生前の妻の温かみをもって作者の掌の中にある。医師の心づかいもこれに加わる。三首目の切実。四首目のフモール。五首目の喜び。誰もが共有する思いである。 |
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| 投稿は、はがきに「定年歌壇」と記入のうえ、短歌二首、住所・氏名・年齢・職業・TELを明記し、〒370-0834 高崎市南町8-7 山下和夫氏宛へお送りください。(編集部) |