朝日の本  
「負けてたまるか!」中村修二著
 副題「青色発光ダイオード開発者の言い分」。電球より消費電力が小さく球切れの心配もない発光ダイオードは交通信号、屋外ディスプレー、携帯電話の画面に使われ1兆円規模の市場を生み出している。20世紀中には発明は不可能といわれながら徳島県の小さな企業で発明、開発された。非常識が独創を生み、孤独と集中力で「なにクソ精神」で頑張り抜いた。にもかかわらず、会社からの待遇はほとんど改善されない。退職してアメリカの大学に籍をおき研究生活をする一方で「発明にたいする報酬」をもとめ、かつての勤務先を提訴した。「発明の対価」は604億円と判決が出された。(1260円税込み)
「健康食事典」 週刊朝日編
 その食べ物がなぜ体によいのか。科学的な根拠を確かめることに最重点を置いて研究者の貴重なデータを盛り込んで編集している。みそや納豆など伝統食品からサプリメント(栄養補助食品)まで幅広く取り上げ分析している。栄養問題、予防医学の専門家、医師ら110人が執筆。日常の食べ物を考える上で多いに参考になりそう。(1575円税込み)
「司馬遼太郎と 三つの戦争」 青木彰著
 時代小説から歴史小説に転換して司馬遼太郎は国民的作家になった。明治維新以降の三つの戦争に視点をおいて歴史的な解明を試みた。戊辰戦争、日露戦争二つの戦争がその後の日本の歴史を決定的転換させた、その意義をさぐった。「鬼謀の人」「花神」「坂の上の雲」の作品にあらわれている。三つ目は自らも苦い体験をした太平洋戦争だが、エッセーやコラムで鋭い批判の片りんを見せたが取り組むことはできなかった。
 司馬の歴史観をどのように読むべきかー著者は司馬と同じ産経新聞に在籍して編集局長も務めた後輩にあたるが、長年の親交から日本の行く末を司馬と論じ合った論客でもあった。
(1100円税込み)