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通称「ビール坂」
かつては出荷の荷馬車が
列をなしていた。
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年末年始は忘年会や新年会などで飲む機会の多いビール。今年の正月もたっぷりとおなかに収めた人は多いはず。渋谷区恵比寿にその名を冠した通称「ビール坂」と呼ばれる坂があると聞き、日ごろ愛飲しているビールに敬意を表すべく散策してみた。
た。
ビール坂は、渋谷区恵比寿4丁目の恵比寿ガーデンプレイスから加計塚小学校の東を北に向かい恵比寿橋方面に下るおよそ300mほどの坂だ。現在の恵比寿ガーデンプレイスの敷地は、1887(明治20)年設立の日本麦酒醸造会社(現サッポロビール)のビール工場として長年親しまれてきた。当時、都心などへのビールの出荷には荷馬車を使い、この坂を通って都心に向かったことから、いつしか「ビール坂」と呼ばれるようになったという。
坂を歩いてみると、高層ビルや建築中のマンションなど新しい建物が建ち並び、往時の面影はほとんどない。古い米屋さんや八百屋さんの存在がわずかに当時の雰囲気を思わせる。
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「この辺りでは最も古い八百屋」
と店主の藤井光雄さん
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坂の中ほどにある明治43年創業の老舗青果店「ヤオサク」の3代目店主、藤井光雄さん(65)は当時の町並みについてこう話す。「今の加計塚小学校の辺りは、竹やぶがうっそうと茂る墓地で、周りは田んぼしかなかったと聞いています。ビール工場ができてからは、坂沿いに長屋風の店が並んでにぎやかだったけど、今は再開発で古い家はほとんどなくなっちゃったね」
工場があったころは、ビール会社の社宅が建ち並び、出荷の荷馬車が頻繁に通るなど、さしずめ“工場城下町”といった感じだったのだろう。実際、「恵比寿」という駅名や地名も同社のエビスビールに由来しているほど。
「あのころは工場勤めのお客さんがよく来たね。独身寮なんかもあったから。今でもたまに『近くまで来たから』と店に顔を出してくれるなじみのお客さんもいるよ」と藤井さん。
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恵比寿麦酒記念館の
「生ビール飲み比べセット」
それぞれ甲乙つけ難い味わい
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当時の様子を聞いていたら、なんだか無性にビールのことを“勉強”してみたくなり、恵比寿ガーデンプレイス内にある「恵比寿麦酒記念館」へ。同記念館は、5000年以上前から造られていたといわれるビールの歴史や日本のビール史などを豊富な資料で紹介している。
また、限定醸造ビールなどを試飲(有料)できるテイスティング・ラウンジもあるのでビール好きにはうれしい。早速、ラウンジで「生ビール飲み比べセット」(400円)を注文してみる。
苦味が少なくマイルドな味わいの「ヴァイス」やフルーティーな香りの「エール」、コクのある黒ビールなど4種類が楽しめる。一口ずつ飲んでみると、それぞれの味の特長が面白いように分かり、ビールの奥深さを知ることに。長いビールの歴史に思いをはせながら飲む一杯はまた格別だ。
「ビールが造られるのは、人々が飲まねばならないからだ」(ドイツのことわざ)
【恵比寿麦酒記念館】
開館午前10時〜午後6時(入場は午後5時まで)。無料。TEL03・5423・7255