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東京メトロ飯田橋駅B4b出口向かいの
「ギンレイホール」。紅白の看板が目印
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登録有形文化財に指定されている
「百段階段」。天井には花鳥画も
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桜舞い散る外濠公園。土手のピンク色に目をやりながら、JR飯田橋駅西口の牛込橋を下ると、かつての“花街”神楽坂へと続く。それに平行しているのが軽子坂。緩やかな“庶民の坂”として愛される軽子坂を歩いた。
外堀通りに面した新宿区揚場町と同区神楽坂2丁目の境界を上っているのが軽子坂。
軽子とは「軽籠(かるこ)持」の略称。江戸時代、坂の下には飯田堀の船着き場があり、当時船荷を軽籠(縄で編んだもっこ)に入れて、市中に荷を運ぶ人を「軽子」と呼び、彼らがこの辺りに多く住んでいたことから名付けられたという。急な傾斜と道幅が狭かった神楽坂よりも、軽子坂のほうが荷を運ぶには適していたようだ。
かつては武家屋敷に囲まれていた坂の周辺は高度経済成長とともにオフィス街に変わり、車の往来は激しい。軽トラックや大型ダンプカーなど、姿を変えた“現代の軽子”は、坂道をすいすいと上がっている。傾斜が緩いため地元の主婦や高齢者は歩きやすいようだ。にぎやかな神楽坂とは一線を画した地元民のための坂である。
坂周辺の魅力のひとつに、新宿のゴールデン街を連想させる「神楽小路飲食街」がある。軽子坂と神楽坂を横に結ぶ細い路地で、戦後の面影を残す大衆酒場のような雰囲気。焼肉屋や居酒屋、小料理屋、スナックなどわずか100メートルに30軒以上もの小さな店がひしめきあっている。日中は静かな軽子坂だが、この一画だけは昼夜を問わず活気にあふれ、夜はこうこうとネオンが輝く。
「開館当時、飯田橋駅のホームから軽子坂を見渡せました。神田川の川べりはアシが生い茂り、子どもたちが遊び回っていました。大きな木が1本あって、夏になると何種類ものセミが鳴いていたのを思い出しますね」と振り返るのは、坂の入り口にある「名画座・ギンレイホール」の潮見洋子支配人。
れんが造りの建物と映画のポスターが目印の「ギンレイホール」はアジアやヨーロッパのミニシアター系作品を中心に、2本立て上映している老舗の映画館。1974(昭和49)年1月に名画座としてオープン以降、映画を愛する江戸っ子たちに支えられてきた。潮見さんは開館当初から勤め、10年前からは上映作品の選定を行っている。「自分の感覚を大切にして、どういう組み合わせがいいかを考えています。どれだけお客さまを呼べるか、ばくちを打っているようなものですよ」
同館の特徴は入会すると1年間映画見放題の「シネ・パスポート」。「人々が集まって語り合えるサロンのような場所を提供したい」という思いから9年前に始め、会員は13歳から80歳までと幅広い。最近はペア(2人用)カードを利用するリタイアした夫婦が増えているという。「50、60代の方々は、映画の見方を知っていますから」
今夜も、思い出の名画を語りながら、神楽小路で「ちょっと一杯…」なんて会話が聞こえてきそう。
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日本初のシネマパスポート「ギンレイシネマクラブ」は1年間有効で、シングルカード10,500円、ペアカード18,900円。通常は一般1500円、60歳以上1000円。
TEL 03 ・3269・3852