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  東京版 平成29年12月下旬号  
演技と演奏は互いを高める  俳優、ケーナ奏者の田中健さん

「僕が駆け出しのころ、敬意を抱く役者には『趣味も達人級』という人が少なくなかった」と田中さん。例えば映画「男はつらいよ」の“おいちゃん”役で知られた下條正巳は篆刻(てんこく)で、「僕の印鑑を作ってくれた」と回想する。「そんな思いがあったから、ケーナに取り組む決心ができたのかな」。現在、田中さんが吹くケーナは、俳優の平泉成の制作だ。「成さんも趣味の域を超えています(笑)」
1~2月、3人芝居に挑戦
 舞台での活動を40代から本格化させた俳優・田中健さん(66)は、「若いころの自分には役者の基盤がなかった」と率直だ。しかし、南米の笛ケーナでの精進が「僕の基盤を築いてくれた」。練習を通し身に付けた腹式呼吸は「僕を舞台に導いてくれた要因の一つ」とよどみない。ケーナ奏者としても高く評価される今は、「演技と演奏は互いを高める」と確信する。1月、2月の舞台「ぼくの友達」は、笑いの要素を織り込んだ3人芝居。「役者の力量が問われる舞台。僕自身にとって新たな挑戦と考えています」

 中村雅俊、秋野太作らと共演したテレビドラマ「俺たちの旅」(日本テレビ系)。1975(昭和50)年の放送開始以来、大きな反響を呼び、シリーズ化された青春ドラマの傑作だ。田中さんが演じた“オメダ”は不安感を抱え、いつもおどおどしている役どころ。田中さんは苦笑する。「実は、あれは当時の僕の地。そういう意味では、はまり役でした」。年をまたいでの稽古となる舞台「ぼくの友達」では、貫禄十分のマフィアのボスを演じる。「昔の自分なら絶対できなかった役ですね(笑)」

アイドルとしてデビュー
 福岡県筑後市生まれの田中さんは高校時代からリズム・アンド・ブルースを歌うバンドで活動。しかし、アイドルとしてスカウトされ、21歳でデビューした。

 「(レコードの)A面・B面だけを歌わされる毎日。自分には合わないところでした」。2年後、俳優に転身。映画「青春の門」(筑豊篇・75年)(自立篇・77年)で脚光を浴び、「俺たちの旅」をはじめテレビドラマのヒットにも恵まれた。だが、撮影現場では劇団で鍛えられた俳優たちに囲まれ、「何の基盤もない自分の“場違い感”はすごかった」。舞台でも主要な役を任されたものの、「声は通らず息も続かない。内心、『通用しない』と落ち込んでいた」。やがて舞台出演を避けるようになった。「自分を高めてくれるものを、すがる思いで探しました」

舞台に“復帰
 そんな田中さんの転機は34歳のとき。旅行先のペルーで、5千年の歴史を持つともいわれる竹製の笛ケーナと出合った。「素朴でありながらも凛(りん)とした響きに心ひかれた」。毎日の練習を「自分との契約」と心に定め、90年にはプロの演奏家としてデビューアルバムも発表した。撮影の合間などの“隙間時間”にも吹き続けるうち、「いつの間にか腹式呼吸による発声ができるようになっていた」。抑揚や強弱に富む時代劇の言い回しも苦にしなくなった自身の変化に驚いた。

 40歳を過ぎてから“舞台復帰”。舞台に立ち続ける中、ケーナの多様な表現力を引き出す細やかな工夫は、演技に通じるとの確信を深めた。役者の基盤を“幹”に例える。「幹がしっかりしていれば、枝葉は広がる。応用が利くということです」。舞台、映像を問わず、近年の役柄は幅広い。「悪を追及する役もあるけれど、悪役も結構多いです」。“ハードボイルドコメディー”と銘打った舞台「ぼくの友達」を控え、笑みを見せる。「マフィアのボスはさすがに初めて」。舞台はニューヨーク郊外のマフィアの邸宅。ボスは自分の「友達の友達」と称する青年の訪問を受けるが、その正体に疑念を抱く。台本に目を通した田中さんは話す。「僕のせりふは膨大な上、そのほとんどが本音を隠した駆け引き」。ボスは会話の主導権を握り、青年を追い詰めていくとあって、「ボスのすごみ、懐の深さを際立たせるためには、所作や表情も大切。演じ手にとっては難しい芝居です」。だが、田中さんにひるみはない。今夏、がんに侵された身を押して、がん対策基本法の成立に尽力した元参議院議員・山本孝史(故人)の生涯をたどる朗読劇で、3700人の喝采を浴びるなど、数々の記憶が前向きな姿勢を支える。「男の生き方に迫る作品が好き」と明言した上で言葉を継ぐ。「今度も格好良い男を演じられる。これからの僕自身の可能性に示唆を与えてくれるかもしれない」

ケーナで映画音楽
 ケーナ奏者としては、これまで5枚のアルバムを発表。今年からはケーナとピアノだけで映画音楽を演奏するコンサート活動を始めている。映画への愛着も深い田中さんは力を込める。「映画と同様、ケーナの魅力も国境を超えるはず」。4年半ほど前、急性すい炎で緊急入院してからは、「以前にも増して体調に気を使っている」と言う。「でも、演技も演奏もみっちり練習・稽古をしないと結果は出ない。心身との兼ね合いを図りながら進んでいきます」

「ぼくの友達」
 1月10日(水)〜2月4日(日)、DDD青山クロスシアター(JR渋谷駅徒歩8分)で。全34公演。
 ニューヨーク郊外の広大な敷地に立つマフィアのボス、フランキーの邸宅を、見知らぬ青年トニーが訪ねてくる。トニーは「自分はボスの友達の友達」と言うが、フランキーは信用できない。フランキーの妻シャロンは、「トニーをどこかで見た気がする」と話す。そこでフランキーはトニーを邸宅に泊め“仕事”をさせたりして、彼の正体を探ることにする—。
 作:ジェイソン・ミリガン、翻訳:小田島恒志、演出:元吉庸泰、出演:辰巳雄大、香寿たつき、田中健。全席指定8000円。問い合わせはチケット・スペース Tel.03・3234・9999

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