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四万十川の伝統漁法・火振り漁。
8の字に振られるたいまつの
灯りが幻想的だ

 岡山県北部にある湯原温泉、奥津温泉、湯郷温泉は、古くから「美作(みまさか)3湯」と呼ばれ、岡山を代表する名湯として知られている。特に湯原温泉は、全国露天風呂番付の“西の横綱”。「温泉問題が問われる今は、逆に本物が残るチャンス」と胸を張る同県自慢の3温泉は、秋を味わう旅に最適だ。
人と魚が共存共栄
 湯原は、山陽道と鳥取・大山(だいせん)、倉吉を結ぶ街道の宿場町として栄えた町。泉源発見も古く、平安期にさかのぼるとも。毎分4000リットルもの豊富な湯量、良質な泉質で全国露天風呂番付の「西の横綱」に輝いた。交通アクセスが少ないのが難点だが、逆にそれが観光地化を防ぎ、秘湯といった雰囲気を醸し出している。中でも、川床からわき出る温泉を岩で囲んだ「砂湯(すなゆ)」は、ダムを背に川につかるという面白さと、自然の形態をできるだけそのまま生かした露天風呂として人気が高い。お湯は無色透明でごまかしはなし。入浴は無料だ。
 砂湯は混浴。夜になるとどこからともなく人が集まってくる。近県から車で通いつめるファンも多い。もちろん、勇気のある人は昼間に紅葉を愛(め)でながら入浴するのもお勧め。夜中、遠くに旅館の明かりがにじんで見える以外は光に乏しい真っ暗な山中で湯につかる解放感もちょっとしたもの。
 砂湯へは近くの旅館で浴衣に着替えてから行く。砂湯に近い老舗旅館「湯屋別館」では、女性客には浴衣の無料貸し出しサービスも行っている。色、柄ともに種類がそろい、着付けもお願いできる。

湯原温泉・砂湯には美人の湯、子宝の湯、長寿の湯の3つの湯船があり、いずれも男女混浴で年中無休開放

 湯原温泉よりわずか北東にあるのが奥津温泉。こちらも戦国時代の武将や津山藩の湯治場でもあったという由緒ある温泉で、棟方志功など多くの著名人に愛された。また与謝野鉄幹・晶子夫妻も、鉄幹が幼少期を岡山で過ごしたこともあって、しばしばこの地を訪れている。奥津では川で足踏み洗濯をする風習があり、奥津の女性たちの足が美しいのは温泉のおかげとか。日帰り温泉施設「花美人の里」では、今話題の健康食「テンペ」(大豆を発酵させた加工食品)を使った食事も取ることができる。
 美作3湯の残りのひとつ、湯郷温泉は前述の2つの温泉より南に下る。津山市に近い湯郷温泉は関西圏の人にはおなじみの温泉地で、それだけに温泉施設も多い。湯郷の湯は少し塩味があるのが特徴。飲用できて、婦人病や皮膚病にも効果がある。「湯郷鷺温泉館」は露天風呂や貸し切りの身体障害者用家族風呂などがそろっている。
 関東から美作3湯を巡るなら、大阪まで新幹線で行き、高速バスを利用するのがベスト。津山までバスか電車で行けば、各温泉へ行くバスが出ている。また、今年津山城築城400年を迎えた津山市は、武家屋敷や古い町並みや町屋が残る城下町。堅固な石垣の残る「鶴山公園」は西日本随一の桜の名所でもあり、秋の紅葉も大変美しい。

 「岡山県は海も山も川もあるせいか県民に競争心が少なく、のほほんとしていてアピール下手ですが、津山などは和菓子もおいしいし、果物も豊富にとれますし、まだ知られていないいい所はいっぱいあるんですよ」と県関係者。来年は岡山で国体が開催され、「晴れの国おかやま」の魅力はさらに発見されていくことだろう。
 岡山県観光連盟TEL086・233・1802

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