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町を見守るかのように建つ
円仁法師と白サギの像 |
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岡本さんが丁寧に教えてくれる
Glass Studio TooS
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岡山県北東部に位置する湯郷温泉。1200年ほど前、傷ついた白サギに導かれた比叡山の円仁法師が発見したという伝説が語り継がれているため、“鷺(サギ)の湯”とも呼ばれる。歴史はあるけれども新しい萌芽(ほうが)も見えてきた―。そんな温泉郷を訪れた。
岡山空港から車で約1時間。静かな山あいに広がる温泉街は、あちらこちらにたたずむ円仁法師の像と、吉野川に架かる「湯〜らぎ橋」の羽ばたく白サギを模した大噴水がシンボルだ。小ぢんまりとした温泉街を歩いてみるのもいい。
最初に訪れたのは、Glass Studio TooS。地元出身のガラス作家・岡本扇翠さん(26)のギャラリー&工房で、吹きガラス制作体験ができる(2625円〜、送料別)。旅の記念に緑色のねじり模様入りのロックグラスに挑戦した。「ねじりを入れるグラスは死ぬ気で吹いて!」というアドバイスに従い、フグのようになりながらも繰り返し吹き、成形し、グラスの形にすることができた。徐冷庫でゆっくり冷やすため、完成品は翌日の楽しみに。
心ほぐし体を癒やす
■アロマ体験で夢見心地
工房から宿泊先の「ポピースプリングスリゾート&スパ」へは歩いて3分ほど。白壁に赤褐色の瓦屋根と小さな窓という“カリフォルニア・ミッション・スタイル”の外観は、そこだけ異国のようだ。やわらかいバニラ色の中に吹き抜けのアトリウムロビー、暖炉、シャンデリア、観葉植物、カラーコーディネートされたインテリアとファブリック(織物)…。女性ならずとも心ときめく空間だろう。聞けば、オーナーである峯平隆弘社長の13年にわたる夢を、さまざまな出会いと多くの人の情熱によって実現したものだという。そのこだわりは部屋着からタイルの色1枚に至るまで随所に見られる。そこに込めたのは「心をほぐし、体を癒やす、究極のくつろぎです」と、支配人の峯平直樹さん(36)。
開業から丸5年、「東京からのリピーターのお客さまもいらっしゃいます」(峯平支配人)というほど女性を魅了し続けているアロマテラピー・トリートメントを体験した(女性のみ)。数あるコースから選んだのは「カリフォルニア・サンシャワー」(90分、1泊朝食付き25,000円)。スパ棟の天然温泉で、まずはスチームサウナ、ジャグジー浴、全身浴を。血行をよくし、リラックスした状態でアロマルームへ。
心地よい香りの中でカウンセリングを受けた。肌が少し乾燥ぎみで、肩こりと冷え性に悩んでいることを告げると、アロマセラピストの山本真衣さん(20)が、37種類のアロマオイルから顔にはオレンジとサンダルウッド、背中にはローズマリーとラベンダーを選んでくれた。好きな香りならより心地よくなり、それだけ効果も上がるのだという。100%ピュアなアロマオイルを1%の濃度で使うトリートメントが始まると、部屋はキャンドルの明かりだけになり、いつしか夢見心地。目覚めたときには体が温まり、しっとりとした芳香に包まれていた。また、水分が欲しくなるトリートメント後にサービスされるハーブティーも格別。もちろん、1人ひとりに合ったものを数種類の中から選んでくれる。
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ポピースプリングスリゾート&スパ
左が客室棟、右がスパ棟。
小道を挟んで向かい合っている。
この手前が「かつらぎ」 |
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「かつらぎ」
のロビーで
ピアノを演奏する中田さん
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ジャズコンサートも
■温泉とカフェ
レストラン「ソノマ」で、地元の食材を豊富に使った季節感あふれるカリフォルニア料理を食した後は、向かいの老舗旅館「かつらぎ」へ。香の香りが漂うシックなロビーでは、月に2、3度のジャズコンサートなどが行われている。水曜日以外の午後9時から40分間はピアノの生演奏が聴ける。ピアニストは中田幸四郎さん(60)。なんと、昼間は同旅館の料理人だ。「得意料理?ジャズ風和食ですかね」と答えるシェフ&ピアニストは、クラシック以外なら即興で1000曲は弾けるという。リクエストに応じて演奏し始めた「冬ソナ」のテーマ曲をBGMに、マジックを披露してくれたのは同旅館会長の尾高伸明さん(56)。マジシャン“ミスター0”として、20年以上のキャリアを持つという技は鮮やかで、その名をはせている。
ロビーの奥では伸明さんの長男で専務の潤さん(28)ら若いスタッフがバー「SAMOURAI(サムライ)」を開店している。湯郷温泉唯一にして、落ち着いた隠れ家的バーとして地元住民にも人気だ。「若い人にもシニアの人にも来てもらいたい」。そう話す潤さんも、アボリジニの伝統的楽器ディジュリドゥの演奏をするなど、父親譲りの芸達者。オレンジなどの生搾りベースにした各種カクテル(700円〜)がお薦めだ。
同じく「かつらぎ」の“DotCafe(ドットカフェ)”が本館の隣にある。北欧和風モダンのカフェでは、店長の岡村るみかさん(27)が作るランチや地元の黒豆「作州黒」を使ったデザートも好評。目指すは「旅館とは思えないカフェ」だという。
伝統だけでなく新しいエネルギーが芽吹き始めた湯郷温泉。白サギに誘われるままに旅をすると、癒やしと刺激に出会えるかもしれない。
【問い合わせ】
・Glass Studio TooS TEL0868・73・6115
・ポピースプリングス TEL0868・72・7575
・かつらぎ TEL0868・72・1555
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