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  お茶の間けいざい 平成20年12月下旬号  
年金記録、調べよう!  “企業年金”の未請求147万人


音川敏枝さん

 
時効特例もぜひ確認を
 「消えた、宙に浮いた年金記録5000万件」に加えて、企業年金連合会(旧厚生年金基金連合会)の未請求者も147万人、年金累計額1865億円(2008年3月末)が確認されている。ひんぱんな転職や転居、あるいは結婚で姓が変わるなど心当たりがある人は一度、自分の記録を調べてみよう。年金が増える可能性がある。

 「企業年金の未請求者を1人でも多く救いたい」と考える社会保険労務士の阿部純二さん(TEL、ファクス042・722・1526)は次のように話す。

 「企業年金制度のある会社から企業年金のない会社に転職したA夫さん(68)はその後の転居先を企業年金連合会(以下、連合会)に知らせていなかったため、60歳になっても公的年金しか受け取っていなかった。しかし、かつての同僚から企業年金について聞かされ、請求したところ、受給できるようになったんです。こういう人は意外にたくさんいます」

 連合会からもらえる未請求の年金は手続きをすれば過去の未請求分をすべてさかのぼって受給できる。ただ、すべての年金でこの時効特例が適用されるわけではないので注意が必要だ。

 年金には大きく分けて、(1)国の社会保障制度である厚生年金や国民年金、共済年金(主に公務員)に代表される「公的年金」と、(2)一般企業が設立した企業年金といわれる「厚生年金基金」(以下、基金)がある。

 147万人の未請求者が問題となっている連合会は、基金のある企業を退職などにより原則10年未満で脱退した人(中途脱退者)や解散した基金に加入していた人などの年金を管理している。ただ、結婚や転職、転居などで連合会が現住所を把握できないのが未請求原因の最大の理由となっている。

 「未請求者の中には基金に入っていたことを知らなかった人も多いのですが、請求すれば受給できることを知っていても、請求の先延ばしをする人や年金額が少ないので請求しないという人もいるようです」と話すのは、ファイナンシャル・プランナーで社会保険労務士の音川敏枝さん(初台エフピー相談室、TEL03・5351・3718)。その理由について音川さんは、「60代前半の人はまだ在職中の人が多く、公的年金と合わせて引退時に請求しようと考えているから。また、基金の中途脱退者のうち50%近くが年5000円未満と支給額が低いのも公的年金に比べて未請求について関心が低い要因になっているのでは」と見ている。

 過去の年金の記録が発見された場合、公的年金は過去にさかのぼって請求する時効特例が可能だ。連合会の年金には時効がない。一方、基金からの年金は、各基金の規約で時効などの内容が決められており、確認する必要がある。基金に加入したすべてのケースで過去分すべてがもらえるわけではないので気を付けたい。

 73歳の女性B子さんのケースは過去5年を超える前の受給が認められなかった。最近自宅に送られてきた「ねんきん特別便」を見てびっくり。そこには勤めていた会社を退職するまでの企業年金加入記録が10年以上記入されていたからだ。  B子さんは、さっそく請求手続きを行ったものの、問題は過去の未請求の年金。「過去にさかのぼって13年分の年金を受け取りたいと保険者(厚生年金基金)に申し出たが、この場合、とっくの昔に時効となっており、特例の対象にはならず、過去5年分しかもらえなかった」と音川さん。

 その理由は、かつて60歳の時に厚生年金基金から住所変更届の書類とともに受給手続きの通知があったが、その後の阪神・淡路大震災での被災で書類を送る機会を失ってしまい、最近「ねんきん特別便」が届くまでそのことをすっかり忘れていたこと。加えてB子さんの加入していた基金の規約では時効が5年と定められていたからだという。

 また、注意したいのは、国の年金では新しい記録が見つかった場合、請求すれば過去にさかのぼって年金をもらえるし、連合会も時効特例が可能だが、国の年金でも、B子さんのように「通知が来たのを知っていて、後で請求した場合は過去5年分しかもらえない」こと。

 なお、公的年金の請求手続きは共済年金が各組合、厚生年金は基本的には最後の勤務先管轄の社会保険事務所、基金は各厚生年金基金、基金を原則10年未満で脱退している場合は企業年金連合会(ナビダイヤル0570・02・2666、平日午前9時〜午後5時、PHSやIP電話からはTEL03・5777・2666)になる。

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