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「0円」静かなブーム
シニアが関心を持つのは旅行、健康、学びの3つといわれる。このうち旅行と学びに関係あるのが英会話。海外旅行を機に英会話スクールに通い始めるシニアも多い。そうした中で、注目されるのが「0円」で学べるインターネットの英会話サイト。今、シニアの間で静かなブームを呼んでいる。あなたも60歳で“英語道”を究めてみては?
インターネットのサイトで英会話など語学を中心に無料学習サイトを運営しているのがセレゴ・ジャパン(渋谷区)。同サイト「smart.fm(スマートエフエム)」は、日本で2007年10月にスタート、09年9月末現在約53万人(日本人70%強、外国人30%弱)が学習している(利用はユーザー登録が必要)。同サイトの特徴は、脳科学から生まれた記憶学習エンジン(特許)。学習者の記憶強度が低下するタイミングをパソコンが自動的に計測し、反復学習を繰り返すことで長期記憶を可能にするシステムだ。
このため記憶力が低下するといわれるシニア層などの語学学習に適しているという。同サイトで勉強している人の中には、80歳から始めて今では海外からの留学生に英語で話してお世話している女性もいる。
「朝10分でもいいので毎日続けることが効果的な学習法です」と話すのは、セレゴ・ジャパン事業開発マネージャーの柏野裕美さん。公式学習コンテンツは300以上あるが、そのうちの1つ、「基礎英語」でステップ1から10まで学習すると2000の単語を学ぶことができ、基本的な会話では困らない水準になるという。
「smart.fm」のアプリケーションには主に単語を学ぶ「iKnow!」、その単語が出てくる例文をタイピングする「Dictation」、学んだ単語の意味を二者択一のクイズ形式で選択する「BrainSpeed」の3つがある。学習方法は、声優などのネイティブスピーカーが発声する単語や例文を聞き取った後、画面に現れる単語や例文の空欄を英語のタイピングで埋めて記憶する。
最近、シニア世代向けにクラシック映画シリーズを開始、第一弾として「映画『ローマの休日』で英語を学ぶ」(http://ja.smart.fm/lists/99384)を公開中。
須田光一さん |
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定年世代の受講者
TOEICに挑戦
36年間勤めた会社を退職した千葉県浦安市の須田光一さん(61)は、以前から興味があった地元の英会話スクールに通い始めた。しかし、自由に英語で会話するには語彙(ごい)や連語表現の不足を痛感。年金生活のため無料で、しかも自宅でやれるものを探し、今年1月から始めたのが「smart.fm」だった。
毎日2、3時間勉強しているが、「単語量が増え、英会話スクールの授業で話す内容が広がった感じがします」と須田さん。次は、現在、555点のTOEIC(英語のコミュニケーション能力を評価する世界共通のテスト)の得点を「600点台に上げることが目標」と話す。 |
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