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「LED電球は蛍光灯のような水銀を一切含んでおらず、入・切を繰り返しても製品寿命に影響ない」と中島康裕さん |
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“長寿命”が特長
省エネ効果に優れ、電気代の節約にもつながることから、LED電球が注目されている。地球温暖化対策としてCO(二酸化炭素)削減が重視される中、消費電力が白熱電球の約10分の1のLED電球はそれだけCO排出量が少ない。また、LED電球は白熱電球の約9倍の“長寿命”のため、特にシニアにとって交換の手間が少ないことが利点となる。
LEDは、電流を流すと発光する半導体素子の一種の発光ダイオードで、「Light Emitting Diode」の略。LED電球はマーケット拡大を見込んでシャープ、東芝に続いてパナソニックなど、このところメーカー参入が相次いでいる。これに伴い、価格も下がってきた。
住宅関係の照明には白熱電球が多く使われており、「日本では現在、年間1億1000万個、1世帯平均で4個〜5個が使用されている」と(株)光波(本社=練馬区、ジャスダック上場)社長の中島康裕さんは話す。同社は、昨年8月から電球型LED照明「シャイニングボール」を開発、販売している。
ここで、LED電球が白熱電球に対してどれくらいメリットがあるかを、同社の製品で比較してみよう。まず、電気代1円で点灯可能な時間。白熱電球(60ワット)が48分、LED電球(60ワット相当)が7時間で、LED電球は白熱電球の約9倍(電球型蛍光灯の約2倍)長持ちだ。それだけ、LED電球の電気代が安くなる。
同社試算では、LED電球(寿命4万時間、1個3980円)と白熱電球(寿命1000時間、同100円)のランニングコスト(1日6時間使用、電気代+製品代)を比べると、2年たたずにLED電球が得になり、10年経過すると約2万1000円に、仮に1世帯5個使用していると10万円以上の節約になるという。
さらに、消費電力が少ないのでCO排出量も白熱電球(年間50.3キログラム)の約10分の1の同5.8キログラムに削減できる。
一方、“長寿命”という点では、1000時間の白熱電球に対し、LED電球はその40倍の4万時間(電球型蛍光灯は1万時間)。夜間電灯をつけて1日6時間使用してもLEDは18年間使用できる計算だ。トイレの電灯など常に点灯しない場所では50年以上持つ。長寿命のため交換の手間が少なくて済み、特に玄関や門の照明など交換しづらい場所にある照明はLED電球が便利。
また、蛍光灯や白熱電球と違って蛾(が)などの虫が近寄りづらいのもLED電球の特長だ。これは紫外線をほとんど出さないためで、加えて、赤外線(熱線)も少ないので夏などの冷房時にエアコンの電力をセーブできる。
LED電球は4万時間たつと照度が70%まで落ち、その後も照度は落ちるが、白熱電球のように“切れる”ことは永久にないという。「防犯用に玄関や庭の照明をつけっぱなしにしてもコストが気にならない」と中島さん。「長寿命・切れない・すぐ明るくなるLED電球」は、特に高齢者世帯にお薦めという。
これまでLED電球の最大の問題は高価な価格にあった。しかし、「最近、LED電球が身近になってきた」と話すのは、節約アドバイザーの和田由貴さん。「LEDは以前1個1万円くらいだったが、今は実売価格が3500円〜4000円に下がってきた。白熱電球1個が100円とすると、その40倍の寿命があるLEDはほぼ同じ価格といえる」
ただ、購入の際に気をつける必要も─。LEDの口金(くちがね)は一般的なサイズ(E26)のため、白熱電球を使用していた口金に対応するが、「全長や外径寸法が白熱電球より大きかったり重かったりするため、確認してから購入したい」と和田さんは話す。
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(株)光波 LED電球「シャイニングボール」
お問い合わせ:TEL03・5971・2670 |
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