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安田まゆみさん |
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超えなかったら○、超えたら×…記す
「送られてきた年金定期便を見てがくぜん、年金額がこんなに低いとは…。どうやって生活したらいいの」「どうしても貯金ができない」と途方に暮れる主婦もいるに違いない。現役時の収入から大幅な減収となるのは避けられない年金生活だが、生活水準はなかなか下げられない。借金がかさんで多重債務に陥るケースも。ファイナンシャル・プランナーの安田まゆみさんは50代以上の主婦を対象に、夫婦2人の年金生活に備えた「○×式 新しい家計簿2010年版=以下、○×式」を提案している。
ファイナンシャル・プランナーとして13年のキャリアを持つ安田さん。これまで家計を預かる主婦からのさまざまな相談に乗ってきた。その経験をもとに、編み出したのが今回の「○×式」だ。
「わたしもそうですが、家計のやりくりがヘタな人は、1日に使えるお金を決めておくとよいです。その額を超えなかったら○、超えてしまったら×を付けるので○×式と名付けました」と安田さん。
主婦が家計を管理する方法でよく使うのが袋分け。ただし、食費と書いた袋に1カ月分を入れておくのでは、ひと月持たずになくなってしまうことも多い。
そこで、1カ月分を1日当たりいくらとし、100円ショップで売っているようなファスナー付き袋に1日分のお金だけを入れて買物に行くのがコツ。「1日これだけしか使わない」と決めてしまえば、やりくりで悩むことも少なくなる。
○×式は「先に予算立てし、その分のお金を確保しておくのが大切なポイント」(安田さん)になる。
具体的には、(A)収入(=手取り額)、(B)貯金(=財形貯蓄や自動車保険など天引き以外の積み立て)を書き出した後、(C)毎月決まって出るお金、を予算立てする。この時、住宅ローンや電気、ガス、水道、固定電話などの自動引き落とし費目と交際費、小遣い、米、酒、生協関連、ペット関連、ガソリンなど手元で管理する費目に分けて整理しておく。手元で管理する分は、費目ごとに袋分けしておくと便利だ。「毎月決まって出るお金に食費は含まないのが2つ目のポイント」(安田さん)。
このほか、近い将来出費が見込まれる、固定資産税や自動車税、慶弔費、あるいは誕生日やクリスマスなどのイベント費、旅行費、バーゲン費などの費目を(D)特別積立費として予算立てする。
(A)から、(B)〜(D)の合計額を引いた残金が、(E)やりくり費。これが食費やちょっとした日用品などの購入費で、それを月の日数で割って、(F)1日当たりのやりくり費を出す。1日のやりくり費が1000円を切るようなら、削れる費目がないか見直す。
「○を付けて小さな成功を続けることでやりくりに自信がつき、サイフは少しずつ締まっていきますよ」と安田さんは話す。 |
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