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音川敏枝さん |
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任意加入と「カラ期間」が関係 受給資格の確認を
今年4月から誕生月に「ねんきん定期便」が加入者に送付されるようになって、夫婦でファイナンシャルプランナー(FP)のところへ相談にくる姿がよく見られるようになったという。そうした中、最近、熟年世代に増えているのが専業主婦の未納問題。FPで社会保険労務士の音川敏枝さんに聞いた。
サラリーマンと結婚して専業主婦になってから一定期間は、カラ期間だと思っていたのに送られてきたねんきん定期便をみると未納に…。そのため受給資格が足りないといった相談が目立つようになった。
「こういう場合、国民年金に任意加入したのに毎月の保険料を納めていないことが多い」と音川さん。「サラリーマンの妻の多くはカラ期間になっているんですが、中にはよく考えずに任意加入手続きをした方もいらっしゃるようです」
生命保険文化センター刊行の「年金ガイド」によると、サラリーマンの妻(被扶養配偶者)は、昭和61年4月以降、第3号被保険者として国民年金に強制加入となった。国民年金制度がスタートしたのは昭和36年4月。それから強制加入となる前までは任意加入だった。同期間に任意加入しなかった60歳未満の期間をカラ期間という。
例えば、昭和25年生まれで昭和45年の時に20歳で結婚した妻、A子さんのケースでは、国民年金のスタート時から強制加入までの16年間がカラ期間となる。その後60歳まで第3号被保険者等として24年の強制加入期間があった。
年金の加入期間は原則25年が必要だが、A子さんの加入期間はカラ期間16年を加えて40年として計算される。カラ期間中は保険料を納めていないので年金額の計算には反映されないため、A子さんは24年加入で計算した年金を受け取る。
冒頭のねんきん定期便で未納となっていたケースでは、任意加入せずにそのままカラ期間にしていればよかった。カラ期間が加入期間に加えられ年金の受給資格を満たしたからだ。または、任意加入してもきちんとその間の保険料を払っていれば加入期間として計算されたのである。
音川さんは、「熟年世代によくあるのが、主婦の井戸端会議で『こんなの払っても意味ないわよ』『払っても払わなくても同じよ』と言われたことを鵜呑みにすること。年金は個人個人の加入状況などが違うのでしっかり確かめることが必要です」と話す。
年金は、「いつから、いくらもらえるのか」ということに気を取られがちだ。しかし、その前に自分の受給資格の「ある・なし」を確認することが大切。受給資格が足りなくても60歳から70歳になるまで任意加入して、25年の加入期間を満たすことも可能だ。
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