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  坂のある街 平成22年6月号  
挿絵の華宵、晩年の地  暗闇坂/文京区

東京大弥生門を出入りする学生の姿も目立つ暗闇坂(文京区弥生・本郷)。坂下近くに住む高見康雄さん(63)は、「昔は両側に木が茂り、暗闇坂という雰囲気があった」
 

「華宵の間」に立つ高畠華宵(左)と鹿野琢見
(65年9月18日撮影・弥生美術館提供)
 

高畠華宵「新さらば故郷!」1965年
弥生美術館蔵
 
 暗闇坂(文京区)沿いにある弥生美術館は、大正〜昭和初期に一世を風靡(ふうび)した挿絵画家・高畠華宵(たかばたけ・かしょう)が晩年を送った地でもある。少年時代に華宵の絵に魅せられた同館創設者の鹿野琢見(故人)が、戦後“忘れられていた存在”なっていた華宵と手紙のやり取りを重ね、自らの家に呼び寄せた。鹿野らの支援を得て創作した華宵最晩年の作品は今、同館で初公開されている。

 
服部聖子さん
 東京大本郷キャンパスの東側に沿って、緩やかな傾斜を描く暗闇坂。江戸時代、樹木の生い茂る坂はよく「暗闇坂」と呼ばれ、今も23区内には10を超す同名の坂がある。この地の暗闇坂は、樋口一葉などの文人が「本郷—上野」を行き来した道。歳月を経てくすんだ大学のれんが塀が、落ち着きのある住宅街に彩りを添える。華宵が現在、弥生美術館敷地になっている鹿野の自宅一室で暮らしたのは、1966(昭和41)年7月、78歳の生涯を閉じるまでの約1年間。鹿野の二女で、同館を運営する鹿野出版美術財団代表理事の服部聖子さん(49)は「(華宵は)優しいおじいちゃんという印象。ひざの上に乗せてもらった」と懐かしそうにほほ笑む。

文通がきっかけ
 1888(明治21)年、愛媛県に生まれた華宵は「少年倶楽部」、「少女倶楽部」などの雑誌に挿絵を掲載。両性具有的なあやしい魅力を持つ美少年・美少女を得意とし、流行曲「銀座行進曲」(1928年)に歌われるなどほぼ20年間にわたってカリスマ的な人気を得た。宮城県出身の鹿野が華宵作品と出合ったのは小学3年生だった29年。少年が奉公に出る姿を描いた「さらば故郷!」を雑誌「日本少年」で目にし、“宝物”にしたという。

 その30数年後、弁護士になっていた鹿野は、華宵が兵庫県の老人ホームにいることを知り、手紙を書いた。

 「さらば故郷のような絵を再び描いていただければこの上ない喜びです」

 頻繁な手紙の交換を経て華宵は、鹿野をモデルに見立てた「新さらば故郷!」を描き、鹿野の下に届けている。鹿野がこれらの作品を公開した自宅の和室「華宵の間」は、華宵の生活と創作の場にもなった。服部さんは「モデルを使わずきれいな女性の絵を描くので驚いた記憶がある」と回想する。66年に上野で開催した回顧展はブーム再燃の火付け役に…。華宵はほどなく脳血栓のため急逝したが、鹿野は84年、華宵コレクションを中心とした挿絵の美術館・弥生美術館を創設した。同館周辺は明治末〜昭和初期、多くの挿絵画家が住んだ地でもあり、蕗谷虹児らの作品も所蔵品に加えている。

“華宵ルーム”
 
中村圭子さん
 現在、同館の3階は“華宵ルーム”。雑誌に載った挿絵のほか、華宵が情熱を注いだ日本画などを展示している。財団は90年、同じ敷地に竹久夢二美術館も開館させたが、弥生美術館創設時から学芸員を務める中村圭子さん(54)は「横尾忠則にも影響を与えたといわれる華宵の芸術性は高く、人気も根強い」と話す。中村さんが中心になって企画した展示会「谷根千界隈(かいわい)の文学と挿絵展」では、華宵がこの地で描いた水彩画約10点を初公開している。「晩年は少し年齢のいった女性を描いた。枯淡ともいえる境地では…」と中村さんは華宵の心を推し量る。

 31歳年上の華宵を敬慕した鹿野は昨年10月、90歳の生涯を閉じた。鹿野自身が描いた暗闇坂のスケッチは、同展で華宵の作品に寄り添うように並んでいる。

 弥生美術館玄関前の夢二カフェ「港や」(TEL03・5684・1380)では、注文後に豆をひくコーヒーやホットサンドなどの食事が楽しめる。


高畠華宵「梅雨の頃」1965年ごろ
弥生美術館蔵
 
谷根千界隈の文学と挿絵展
弥生美術館周辺を舞台にした“ものがたり”

 27日(日)まで、弥生美術館(地下鉄根津駅徒歩7分)で。

 谷根千(谷中・根津・千駄木)とその近辺を舞台にした作品と作家を紹介。華宵の作品のほか、三遊亭円朝「牡丹燈籠」、夏目漱石「三四郎」、「吾輩は猫である」、江戸川乱歩「D坂の殺人事件」、竹久夢二「出帆」、蕗谷虹児「花嫁人形」など。一般900円(竹久夢二美術館との共通券)。

 19日(土)午後6時からはフィルム上映会「55年前の谷根千」も。参加費500円。

 弥生美術館TEL:03・3812・0012

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