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  ものしりミニ講座 令和6年7月上旬号  
温かな日常見守った水甕  庄野潤三と丘の上の家

古備前の水甕(個人蔵)。現在も丘の上の家と水甕は現存(非公開)。今回の展示の目玉の一つで外部への貸し出しは初めて
 今年9月に没後15年を迎える庄野潤三(1921〜2009)は、自身や家族の穏やかな日常を小説や随筆につづり、現在もその温かな作風が愛されている作家です。彼は、1961(昭和36)年、40歳のとき川崎市生田に新築した家に、妻と3人の子どもとともに転居しました。そして88歳で亡くなるまで半世紀近くをこの家で過ごし、代表作「夕べの雲」など数々の作品を生み出します。多摩丘陵の一画を成す丘の上に立つ家には四方から風雨が襲い、自然の猛威を痛感させられることも再三あり、庄野はまず風よけの木を植えることから始めました。

 さて、この家に桃山時代の作といわれる2石入りの備前焼の水甕(がめ)があります。庄野はこの甕を、師・井伏鱒二の仲介で、井伏のなじみの旅館から譲りうけました。庄野は最初、この水甕を家の軒先に置いていましたが、あるとき大風が吹き、肉厚でずっしりと重いこの甕が倒れて庭から家の前の坂に転がりかけました。師匠譲りの貴重な古備前が割れてはたまりません。庄野はとっさに縁側からはだしで飛び降り、甕にタックルして止めました。中学時代、ラグビーに熱中していたのが役に立ちました。以来、甕は室内に置かれるようになりました。

 庄野は、子どもたちが巣立ち、妻と二人になった晩年を四季折々の庭の草花や野鳥の姿を楽しみながら過ごしました。数百年の時を経てきた水甕の傍らで、庄野は人間を含め草花や生き物たちの命の短さと貴重さを意識したことでしょう。平凡な暮らしを慈しみ、描き続けた晩年の庄野文学のスタイル誕生に影響を与えたかも知れない、そんな想像をかき立てられる存在感ある水甕です。

《神奈川県立神奈川近代文学館 鎌田邦義》

◆「没後15年 庄野潤三展—生きていることは、やっぱり懐しいことだな!」 ◆
 8月4日(日)まで、神奈川県立神奈川近代文学館(みなとみらい線元町・中華街駅徒歩10分)で。
 日常を細やかに記した作品で多くの愛読者を持つ作家の生涯と作品を、遺族から受贈した原稿、手紙などの資料と貴重な遺愛の品などで振り返る展覧会。
 観覧料一般500円、65歳以上250円。問い合わせは同館 Tel.045・622・6666

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