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  今月の旅情報 平成27年1月下旬号  
匠が育んだ“刃物の町”  岐阜/関市

今も受け継がれる関鍛冶の様子(関鍛冶伝承館)
 関東と関西の要衝で、京都から飛騨に通じる分岐点として栄えた関市(岐阜県)。「関の孫六」など鎌倉時代から多くの刀匠が育った刃物の町として今も刃物を中心とする産業が盛んだ。また、清流・長良川の河畔で繰り広げられる伝統漁法の鵜飼(うかい)や地元に残された数多くの円空仏など見どころも多い。四季を通じて楽しめるという関市をこのほど訪ねた。

技を知り名品を鑑賞
 中世の頃、日本には「五か伝」と呼ばれる刀鍛冶の盛んな地域があった。「美濃(関)伝」は大和(奈良)、山城(京都)、備前(岡山)、相州(神奈川)と並んで「五か伝」の一つに数えられた。「折れず、曲がらず、よく切れる」と評価された関鍛冶の刀。最盛期の戦国時代には300人近くの刀工がいたという。


砥石(といし)面に5〜10度の角度で刃先をあて研ぐと切れ味がよくなる(刃物会館)
 こうした関鍛冶の日本刀製作技術を分かりやすく見せてくれるのが関鍛冶伝承館(Tel.0575・23・3825)。研師(とぎし)や柄巻師(つかまきし)、鞘師(さやし)、白銀師(しろがねし)などの700年に及ぶ関鍛冶の技を丁寧に解説。館内には代表的な刀工の名品も展示されている。

 同館日本刀鍛錬場では古式日本刀鍛錬(刀匠)、外装技能師実演(研師、柄巻師、鞘師、白銀師)を一般公開している。公開日は問い合わせを。

 終戦と同時に関の刃物業は平和産業としての道を歩み始める。伝統ある刀剣生産技術をもとに、貝印(株)(本社・東京都千代田区)やフェザー安全剃刀(株)(同・大阪市)などの企業が育った。このほか包丁やナイフ、はさみ、かみそり、爪切りなどの生活用品でも関市の企業が高いシェアを誇っている。その中で、輸出による自社ブランド浸透に力を入れているのが丸章工業。専務の長谷川智広さん(41)は「関のポケットナイフや高級包丁は海外でも人気が高いんです」と話す。


円空作の「善財童子」自刻像(関市円空館)
「円空仏」を訪ねる
 「ノミとナタを手に全国を行脚し、民衆に仏の教えを説きながら、およそ12万体にも及ぶ仏像を彫り続けた」といわれる僧・円空。関市はそんな円空と縁の深い町だ。

 円空は1632(寛永9)年、美濃国(岐阜県)で生まれ、北海道から近畿地方など諸国を遊行(ゆぎょう)した後、晩年は関市池尻にある弥勒寺を復興。1695(元禄8)年、死期を悟った円空は長良川河畔に入定(にゅうじょう)し64歳で生涯を終えたと伝えられる。

 入定の決意を固め、最後の作品「歓喜天」を彫ったといわれるのが関市洞戸。この地にある「関市洞戸円空記念館」(Tel.0581・58・2814)には、最高傑作といわれる「一木作り三像」など約30体の円空仏が展示され、年間5千人が訪れている。同館責任者の武藤喜美子さん(67)は「円空仏は一見荒削りのようですが、よく見ると角度によって繊細な描線で彫られており、美しさが感じられます」と話す。

 また、円空入定塚や弥勒寺跡近くの「関市円空館」(Tel.0575・24・2255)にも、「愛染明王」など約30体が展示されている。

“鵜飼の里”の多彩な味
◆うなぎ「地焼き」◆
 刃物の町・関市はまた、鵜飼でとれるアユ料理(鵜飼は毎年5月〜10月ころまで)など食文化も盛ん。中でも店舗数が多く、県外からも食べに来るといわれるのがうな丼だ。

 関市のうな丼は関東地方のように蒸すことをせずに、素焼きのあとタレをかけて焼き上げる「地焼き」。「名代うなぎ 孫六」(Tel.0575・22・0639)では、強い炭火で生から一気に焼き上げるためパリッとした食感。秘伝のやや甘めのタレに2度くぐらせたうなぎの表面は黒いが、あっさりした味わいだ。

◆黒からあげ◆
 関市のB級グルメとして地元で人気なのが関からあげ。黒、赤、白と3種類あるが、中でも黒からあげは、市の特産品であるシイタケと海の幸ヒジキを細かく砕いて表面にまぶして揚げたもの。

 手打ちうどんの店「喜家(きや)」(Tel.0575・22・0095)でいただいた黒からあげは、外見は真っ黒でインパクトが強いが、中身はジューシーな味だった。

◆飛騨牛◆
 長良川沿いにある関観光ホテルでは、飛騨牛御膳堪能プラン(1泊2食付き1万2960円)を提供。岐阜を代表するブランド牛・飛騨牛の陶板焼きなどが楽しめる。 フリーダイヤル 0120・753・277

【関市の観光問い合わせ】
 関市経済部観光交流課  Tel.0575・23・7704

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