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  今月の旅情報 平成29年9月上旬号  
遠藤周作×スコセッシ、「沈黙」の舞台・外海  長崎県/長崎市

角力灘の落日
 潜伏キリシタンの文化が息づく長崎市外海(そとめ)地区は、遠藤周作の小説「沈黙」の舞台だ。同作を原作にしたマーティン・スコセッシによる映画「沈黙—サイレンス—」が公開されたこともあり、注目度が増している“祈りの里”。迫害時代の隠れ家、信教自由化後に建てられた教会、信徒たちが運営した授産施設…。今も静かにたたずむ史跡の数々が“信仰の記憶”を物語る。

潜伏キリシタン“祈りの里”
 《人間がこんなに哀(かな)しいのに 主よ 海があまりに碧(あお)いのです》

 「沈黙」の碑の後方には、波穏やかな角力灘(すもうなだ)が広がる。カトリック信者の遠藤が「沈黙」を発表したのは1966(昭和41)年。キリシタン弾圧が苛烈さを極めた江戸初期の物語は、世界のキリシタン文学を代表する名作の一つに挙げられる。


バスチャン屋敷跡
 作中の「トモギ村」のモデルが、長崎市中心部から40キロ近く北西に位置する外海地区だ。かつては道が険しく人の往来が少なかったこともあり、潜伏キリシタンが弾圧を逃れ、2世紀以上にわたって信仰を受け継いだ。

 日本人伝道士バスチャンが隠れ住んだとされる「バスチャン屋敷跡」、ひそかに聖地とされた場にある「祈りの岩」…。「祈りの岩」のそばには、バスチャンの師とされるサン・ジワン神父を祭る「サン・ジワン枯松神社」が建てられている。外海地区ボランティアガイドの松川隆治さん(77)の祖先も潜伏キリシタンだ。「(神社の)お堂の下にも、信仰を守り通した人たちのお墓があります」

 外海を愛した遠藤の遺品や資料を展示する「長崎市遠藤周作文学館」では来年5月まで、企画展「刊行から50年 遠藤周作『沈黙』と長崎」が開催されている。以前、映画の取材で外海を歩いたスコセッシも来館し、遠藤の草稿などに見入っている。


遠藤周作文学館では、遠藤 周作の書斎も再現されている
遠藤周作文学館
 一般360円。Tel.0959・37・6011

信教自由化後の歩み
 1873(明治6)年、キリシタン禁制の高札撤去により、ようやく実現した信教自由化。その後、潜伏キリシタンの多くは、カトリックの洗礼を受けている。

 外海地区には79年、フランス人宣教師のマルク・マリー・ド・ロ神父が赴任。この地の貧窮に心を痛めた神父は布教の傍ら、農業や漁業の指導、医療や教育事業に取り組んだ。「旧出津(しつ)救助院」(国重文)は女性の自立支援のための授産施設。神父自らが織物やパン、そうめんなどの製造技術を教えたという。設備の多くは現在も保存され、往時をしのばせる。


出津教会堂は、「外海のシンボル」として親しまれている。台風による強風の被害を避けるため、高さが低く抑えられている
 白亜の教会「出津教会堂」(国重文)は82年、ド・ロ神父の設計により建てられた。外海地区では、自然石の石積みが美しい「大野教会堂」(国重文)なども信者の手で守られている。

 一方、信教自由化後、カトリックに復帰しなかった集団は、一般に「かくれキリシタン」と呼ばれ、現在も少数ながら先祖の信仰形態を維持している。長崎県は外海地区を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を世界遺産候補とし、来年度の登録を目指している。

旧出津救助院
 一般300円。Tel.0959・25・1002
 出津教会堂、大野教会堂の見学は事前連絡が必要。長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター Tel.095・823・7650
http://kyoukaigun.jp/


「ド・ロさまパスタ」を手にする日宇スギノさん
「ド・ロさまパスタ味わって」
 日本のパスタ誕生の地—。旧出津救助院では、マカロニなどのパスタ類も作られた。
 救助院の隣のレストラン「Tabedokoro ヴォスロール」(Tel.0959・25・0018、要予約)では、もっちりした食感の「ド・ロさまパスタ」が味わえる。運営・調理の担い手は、地元の女性たちでつくる地域活性化・生活研究グループ「フェルム・ド・外海」。代表の日宇(ひう)スギノさん(70)は「ド・ロさまが開墾した畑の野菜や小麦、外海の海の幸を生かした家庭料理もたくさんお出しします」と笑顔を見せる。


◆ 外海地区観光の問い合わせ ◆
 長崎市外海行政センター Tel.0959・24・0211

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