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  埼玉版 令和5年12月号  
ステージで歌う…、人生最高の幸せ  シンガー・ソングライター 加藤登紀子さん

加藤さんは日々の生活の中で、「達成感」を大事にしている。「小さな目標でいいんです。それを解決すると達成感を覚えます。大きな目標だとなかなか達成感が得られないので、小さな目標をたくさん持つようにしています」。例えば、コロナ禍で始めたのが洋服のリメーク。「なぜ、この服を着なくなったのか、と原因を見極めてからリメークしています」。もう一つ、長年、続けているのが新聞記事のスクラップだ。「たまった新聞の中から記事を切り抜いてファイルし終わったときはスカッとしますよ」
半世紀続く「ほろ酔いコンサート」開催
 「百万本のバラ」「知床旅情」「ひとり寝の子守唄」など、数多くのヒット曲を持つシンガー・ソングライターの加藤登紀子さん(79)が、半世紀を超えて続けている「ほろ酔いコンサート」。ファンとの交流を大切にしてきた加藤さんにとって、同コンサートは胸襟を開いてファンと向き合う年に1度の大切な場だ。国内外で79公演のステージに立つなどパワー全開の今年。その最後を飾る同コンサートが今月、東京や埼玉などで開催される。「ステージで歌っているときが人生最高の幸せ」と話す加藤さんが、同コンサートで最高のときを迎える。

 1966(昭和41)年にレコード・デビューした加藤登紀子さんのライフワークとなっている「ほろ酔いコンサート」(以下、「ほろ酔い」)。ある飲み会で開催が決まり、71(同46)年に今は無き日劇ミュージックホールで始まった。「歌い手と観客が仮面を脱いで、お互いを装わない“素”の状態で歌を歌い、聞こう」という趣向がファンから支持を得てその後、定着していくことに—。「ほろ酔い」では、加藤さんがほろ酔い気分で歌うだけでなく、お客さんにも酒(日本酒)が振る舞われる。「気を許し合える状態になった上で、歌を本音で聞いてほしい」という加藤さんの気持ちが込められた名物公演となっている。今回はゲストとして、歌手でお笑いタレントのタブレット純が登場する。

 レコード・デビューから60年近くになる加藤さん。「登紀子自伝人生四幕目への前奏曲」((株)トキコ・プランニング発行)によると、これまで加藤さんが歌い、録音した曲は600曲を超える。そのうち約半分は自作(作詞、作曲)だが、自分以外の作者が作った外国の曲も多い。いろんなジャンルの歌を歌いこなせるだけの歌唱力を持つ。

  そもそも、加藤さんが歌手の道へと進むようになったのは、東京大学在学中の64年、「第1回アマチュアシャンソンコンクール」に出場したことがきっかけ。ただ、同コンクールへの出場を申し込んだのは、音楽ディレクターでもあった父・幸四郎だった。「父は、『このままいったら、お前がおもろい人生を送れるとは思えん』と私に内緒で申し込んだんです」。当時、女性が東大を卒業しても、役所などに就職するか、学校の教師になるかなど、職業の選択肢が限られた時代。「父は『そんな人生はおもしろくない。人生はおもろないといかん』という考えの人でした」。亡くなる間際には、「お前は(歌が)まだまだやな。俺には及ばない」と言い残して逝ったという父は、歌がとても上手だったという。「私が歌の道に進んだのは、父の影響があったからかもしれません」

 加藤さんは中国・旧満州(東北地方)のハルビンで生まれ、2歳のとき敗戦で日本に引き揚げてきた。ハルビンでロシア語の教官などをしていた父は、日本で音楽関係の仕事に就き、後にウクライナ料理店を開く。その店でよく流れていたのがシャンソン歌手、越路吹雪の歌。加藤さんがシャンソンコンクールに出場したころは、アダモや越路吹雪が歌う「サン・トワ・マミー」や、マシアスの「想い出のソレンツァラ」などのシャンソンが大ヒットしていた。「あのころは映画や演劇、ヒットソングに至るまでフランス文化が席巻していましたね」と加藤さん。自らも「将来、歴史学者になりたい」と東大でフランス史のゼミを受けていた。

路線を変えヒット
 1回目のシャンソンコンクールでは惜しくも4位入賞だった加藤さんは2回目のコンクールで見事、優勝。そして東大在籍中の翌66年、「誰も誰も知らない」でデビューすると、2曲目の「赤い風船」がヒットして、その年のレコード大賞新人賞を受賞する。歌手として順調な滑り出しに見えるが、「実は、すごく苦労しました」と明かす。デビュー前に演歌、ムード歌謡、社会派ソングの3つの路線のうち、「どの路線でデビューさせたらいいか」と関係者は悩み、加藤さんは10曲もレコーディングさせられたという。デビュー曲のムード歌謡が不発だったことで、路線を切り替えて出した「赤い風船」によって、社会派ソングへの道が開けていく。東大を卒業した加藤さんは、72年に学生運動指導者の藤本敏夫(後に有機農法実践家)と獄中結婚、3人の子どもを育てながら、「ひとり寝の子守唄」「知床旅情」「黒の舟唄」などの曲を歌い、歌手活動を続けていく。また、「難破船」(中森明菜)など、ほかのアーティストへの楽曲提供も多い。

 「人生で幸せを感じるのは、ステージで歌っているとき」と語る加藤さん。そんな彼女にとってつらかったのが、コロナ禍でコンサートが中止に追い込まれたときだ。20年5月に政府の緊急事態宣言が解除になるとほかのアーティストに先駆けて約1カ月で準備を進め、6月28日に渋谷のオーチャードホールで客席数を半分以下の1000席に制限して「55周年記念コンサート」を開催した。そんなコロナ禍にあっても20年、21年、22年と休まず続けてきたのが「ほろ酔い」だ。同コンサートの様子は、73年の2回目の貴重な録音が奇跡的に発見されたことで制作された5枚組CD「超録 加藤登紀子ほろ酔いコンサート 20世紀編」(トキコ・プランニングTel.03・3352・3875)で体感できる。同アルバムは父の死、ハイジャック事件との遭遇など、加藤さんの人生でさまざまな出来事が起きた年に開いたライブから曲が収録されている。

 今回の「ほろ酔い」公演期間中に80歳の誕生日を迎える加藤さん。「このコンサートを通じて知り合った多く人との出会いや別れを全て思い出したいですね。コンサートでは『愛さずにはいられない』などのラブソングを久しぶりに歌いたい」と話す。


©Tomoko Hidaki
♪加藤登紀子 ほろ酔いコンサート 2023
 22日(金)午後4時、埼玉・ソニックシティ(JR大宮駅徒歩3分)大ホールと26日(火) 午後4時、ヒューリックホール東京(JR有楽町駅徒歩3分)で。
 出演:加藤登紀子ほか。全席指定7000円(日本酒付き)。

 チケットはチケットサンライズ Tel.0570・077020。予約の際、「定年時代を見た」と伝える。なお、ほかの公演については問い合わせを。

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