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  千葉版 平成29年8月号  
“高齢者の今” 笑いとともに見せる  歌手・俳優の尾藤イサオさん

尾藤さんはライブ出演を重ねるなど、歌手活動にも意欲的だ。「ザ・デイサービス・ショウ」で演じる“ジョー”はバンドのボーカル担当。「ジョーの歌声とシャウト(叫び)を楽しんでください」
「介護ミュージカル」出演
 “今の高齢者像”を笑いとともに—。歌手、俳優として活躍する尾藤イサオさん(73)は、再々演のミュージカル「ザ・デイサービス・ショウ」出演を前に意気込みを見せる。デイサービス施設の利用者たちがロックバンドを結成する物語。「僕らの歌と生演奏のパワーが皆さまのエネルギーにもなっているのかな…」と初演、再演の手応えを語る。自身の芸歴は曲芸に始まり60年以上。今も甘えや惰性を自らに許さない。「それを貫いていることが、僕の誇りです」

平均年齢70代半ば
 ほぼ75歳—。「ザ・デイサービス・ショウ」でバンドを立ち上げる施設利用者の平均年齢だ。「芝居の設定というよりは、僕たち役者の実年齢です」と尾藤さん。81歳の正司花江や79歳の光枝明彦らとの共演は、「すごく刺激になる」と言う。ただ、尾藤さん演じる“ジョー”劇の前半、うつろな表情で座ったまま。口を開くこともほとんどない。開演前のウオーミングアップを欠かさない尾藤さんは苦笑する。「この舞台に限っては、開演後に体が硬くなってしまう。幕あいに体を温め直さないと…」

曲芸師から転身
 台東区に生まれた尾藤さんの父は、「百面相」を得意とした三代目松柳亭鶴枝。早世した父の芸を継いだ長兄や三味線奏者の母の勧めもあり、小学6年生のとき、太神楽の曲芸師・鏡味小鉄に弟子入りした。3カ月後には初舞台。しかし翌年、たまたま耳にしたエルビス・プレスリーの「ハートブレイク・ホテル」に「全身がしびれるような衝撃を受けた」と、今も鮮明な記憶を語る。6年間の修業期間を終えた直後、歌手転身の決意を師匠に告げた。独自の“ロカビリー曲芸”に理解を示していた師匠だったが、「さすがに大反対された。『お前は本当の不良になるのか』と…」。

 とはいえ、「師匠の芸と教えは、今も身に染みている」と明言する。「教えの一つは『手抜きを絶対しない』です」

「超一流の衝撃」
 師匠の下を去ってからアメリカに渡り、人前で曲芸を披露する傍ら、各地のショーを見る機会を得た。本場のエンターテインメントに目を見張る中、「とりわけサミー・デイビス・ジュニアには圧倒された」と回想する。歌だけでなく、タップダンスやドラム演奏、高い身体能力を生かしたパフォーマンス…。「お客さまを飽きさせないという超一流のプロ意識に大変な影響を受けました」

 帰国後の1962年に歌手デビュー。「悲しき願い」(65年)のヒットなどで一躍人気者になり、66年にはザ・ビートルズ日本公演の前座も務めている。アニメ主題歌「あしたのジョー」(70年)も大ヒット。歌と同様の“ハスキーボイス”で言葉を継ぐ。「そういえば『ザ・デイサービス・ショウ』の役名も“ジョー”ですね(笑)」

 歌手デビューのほぼ1年後から俳優としての活動も並行。市川崑の監督作品「股旅」(73年)で“3人主役”の1人に抜てきされるなど、市川や森田芳光といった映画監督、ミュージカル創作を手掛けた作曲家・いずみたくらに重用された。鳳蘭と共演した舞台「ファニー・ガール」(80年)では、菊田一夫演劇賞を受賞。それでも尾藤さんは自身を「不器用な役者」と評する。「台本の読み込み、立ち稽古…、人一倍努力しないと(役を)自分のものにできない」

 「ザ・デイサービス・ショウ」の主役とプロデューサーを兼ねる中尾ミエは、そんな尾藤さんと舞台でも共演を重ねた間柄だ。中尾からの誘いは「やっぱり意気に感じます」。劇の前半、周囲から認知症と思われていた“ジョー”は、後半に入って主役級の活躍を見せる。「ある事件をきっかけにジョーの心のふたがポンと取れる。気持ちの変化は行動をダイナミックに変えると実感していただければ…」。おととしの初演、昨年の再演が評判を呼び、早くも再々演となるミュージカル。介護や老いの問題と向き合いながらも、遊び心いっぱいの舞台に、「演じる僕自身も元気をもらっている」と話す。「例えば『あしたのジョー』を連想させる言い回しもある。そんな仕掛けを見つけに来てください」

 「今は3人の孫に恵まれて幸せ」とほほ笑む尾藤さんは、舞台などの日程に合わせ、体づくりをする。「途切れなく仕事を頂けるおかげで、老け込まずにいられる」。口元を少し引き締め、こう続けた。「80歳、85歳になっても自身に妥協を許さず、お客さまを楽しませたいですね」

「ザ・デイサービス・ショウ2017 〜It's Only Rock'n Roll」(東京公演)
 8月24日(木)〜29日(火)、明治座(地下鉄浜町駅すぐ)で。全7公演。
 ある高齢者のデイサービス施設。ミニコンサート出演のため施設を訪れた往年のスター・矢沢マリ子は、利用者によるロックバンド結成を思い立つ。悪戦苦闘を経てバンドは何とか形になり、ショー開催の雰囲気も盛り上がる。しかし思わぬ障害が発生する中、突然、悲報も舞い込んできて…。

 作・音楽:山口健一郎、演出・振付:本間憲一、出演:中尾ミエ、尾藤イサオ、光枝明彦、モト冬樹、正司花江、初風諄ほか。
 全席指定S席1万円、A席5000円。チケットスペース Tel.03・3234・9999

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