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  埼玉版 平成22年12月号  
歌で自分再発見  狭山五行歌会

8年前結成し今夏、例会100回を迎えた
自らの生活テーマに自由に表現
 5行の中に自分の思いを込める「五行歌(ごぎょうか)」という詩歌がある。その歌会を狭山市で主宰する吉川敬子さん(67)から、「『狭山五行歌会』がこのほど100回を迎えた」とのお便りをいただいた。同会では、「今まで歌など何も書いたことがないシニアらが歌を作ることで自分を再発見し、そして元気になって行く」(吉川さん)という。そこで、興味をひかれて狭山市を訪ねた。

 狭山五行歌会は毎月第1木曜の午後1時から4時間開かれている。今回(103回)は、西武線狭山市駅から徒歩5分の狭山市福祉会館で行われた。この日は23人が出席、その大半がシニア層で男性4人のほかは女性だ。

 歌会は、出席者がこの日のために作ってきた歌の中で各会員が自分の好きな作品を11首選ぶ。その後で、選んだ理由や作者の意図を1首ずつ発表しながら会を進める。歌のテーマはさまざま。作者の生活や人生観が感じられ、それが読む者に共感を誘う。例えば—、

  横柄な夫の
  依頼の電話に
  送るものかと
  思いつつ
  好物も添え送る

 俳句などには文字数や季語など、決められたルールがある。それに対して五行歌は、現代の言葉を5行で書くという以外は自由。約50年前に草壁焔太(えんた)さん(72)が、「万葉集」(奈良時代)以前の古代歌謡にならって始めたという。当初、約30人で始まったが、今では愛好者が全国に50万人を超える。

 同歌会主宰者の吉川敬子さんも11年前に五行歌と出合い、魅せられるようになった1人。

 「5行の中に自分の思いを書き続けるうちに、今まで気付かなかった自分を発見して、いつの間にか五行歌が自分を支えるものになっていました」と話す。


自著を手に、吉川さん
求めていたものはこれ
  吉川さんは大分県に生まれ、高校卒業後専門学校を修了し、歯科衛生士として勤めながら大学の通信教育で日本文学を勉強した。結婚後、子どもを育てながら塾の仕事を約20年続けた吉川さん。歌とは無縁だったが五行歌を知り、「わたしの求めていたものはこれだ」と感じたという。

 8年前に草壁師の勧めで狭山五行歌会を結成。今では、「五行歌の普及にこれからの人生を使いたい」と思うまでに。

初の歌集を出版
 その吉川さんがこのほど、初の五行歌集「時の鎖」(市井社)を出版した。11年間で書きためた歌のうち自ら選んだ作品を1冊にまとめたものだ。本のカバーイラストを描いたのは元教員の夫・司さん(64)。装丁は同歌会会員の吉野比抄子(ひさこ)さん(35)が担当している。

 「どちらかといえば消極的な性格だった」という吉川さん。しかし、「良い歌を書きたい」という目標ができ、「なんにでも積極的になろうと思えるようになりました」と話す。その吉川さんが、「恥をかく勇気で」出版したのか今回の歌集だ。真摯な(しんし)な作品は読む者を驚かせる。その中の1首—。

   ほろほろと
  崩れゆく
  姑の白い骨に
  私の一矢が
  刺さってはいまいか

 自分の内面にある「真実を見つめる眼」を持ち続ける吉川さん。歌を作る姿勢は次の歌にうかがえる。

  問いも答えも
  内包した
  一生命体
  一生かかって
  どれほど覗けよう

 「歌で表現するなんてできない、と思っている人も多いのですが、『隣の人に話すように書けば』と、アドバイスしています」と吉川さん。歌を作ることで、自分を見つめ、自分を知る。それが他者や世界とのかかわりを考えることにつながる—。その思考法が、「悩みに対する発想を変え、気持ちが開かれたり、生きる希望がわいてくることにつながっていくのでは」と吉川さんは話す。


例会で、各人が作ってきた歌を読み合う
気持ちも和らぐ
 現代はインターネットや携帯電話などの普及で便利になる一方、人と人との関わりが薄まりがち。五行歌を通じ他人との接点を持つことで、気持ちも和らぐようになるのか。

 3年前妻が亡くなった時同歌会に入会した70歳の男性は「(歌会は)行き場のない心の表現の場所」と話す。30代女性は「1つのものでみんなと話し合えるのが楽しみ」という。

 決して作品を否定せず、作者の気持ちを尊重するという狭山五行歌会は終始、温かい雰囲気に包まれていた。

 狭山五行歌会は会員25人。40代から上の世代が約7割。最高齢は90代も。会費は1回1000円(会場費や菓子代、プリント代など)。 問い合わせは吉川 TEL.04・2954・5006へ。

 なお、全国に五行歌の会は約130カ所、埼玉県内には12カ所がある。狭山市以外の五行歌の会についての問い合わせは同本部 TEL.03・3267・7607


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